第一章 「グレン・ポッターと賢者の石」〜Glen Potter and The Philosopher's Stone〜
1話 The crow mansion of Monte Lung.「モンテルンのカラス屋敷」
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なるまで見送ってから、手紙に目をやった。
黄色くて分厚い封筒だ。そして、裏にはホグワーツの紋章のついた蝋がある。確か中身は手紙が2枚だった筈だから、もっと軽いものだと思っていたが予想よりも重かった。宛名はしっかりとこの家とグレンの名が書いてあった。
グレンはわくわくしながら封筒の中身を確認した。出てきた1枚目の羊皮紙にはしっかりとホグワーツ学校の入学を許可する主旨が書かれていて、2枚目の教材リストもちゃんと入っていた。
グレンは手紙をすべて黄色い封筒の中に仕舞い込んで、戸口から家に戻った。
1歳のハロウィンの事件の後、オレはこのカラス屋敷の主で、母方の祖父であるモラルド・レイモンドの元に預けられた。
後になってから知ったことだが、オレの父ジェームズは母ミリアが死んだ日と同じ日に死喰い人に殺されて死んだらしい。殺される直前に守護霊を放って母に危険を知らせたのだが、間に合わなかったのだ。
そして、火事になっていた家から助け出してくれた名付け親のシリウスだが、ピーター・ペティグリューを含む大量殺人と、死喰い人の仲間だという容疑でアズカバンに投獄された。もちろん、オレはそれが無実だということは知っている。だから、最初に知ったときにはすぐに助け出したい、無実を証明したいと考えた。でも、オレはそれをしないことにした。アズカバンから囚人を脱獄させることが出来るような力が、今のオレには足りなかったからだ。
それにオレはここ数年、これからの学校生活をどうやって過ごすかを考えていたが、結論的にはあまり原作の道筋を変えないように動くことに決めた。この世界のヴォルデモートを倒すためにオレが使えるもっとも大きな武器は、原作の知識があることだ。
だから、原作を大きく変えてしまうとその知識は意味が無くなってしまうし、想定外の出来事や事件も起こりかねない。それこそ、想定外の危機から自分の身を守るためにも、物語は原作通りに進んでもらう必要がある。
だが、どれだけ原作を大事にしようとしても。現時点で既に原作と異なる部分もある。例えば、ハリーが居ないことによってネビル・ロングボトムが予言の「選ばれし者」に当てはまり、「生き残った男の子」になったことだ。
おそらく、これが一番のネックになるだろう。「選ばれし者」がネビルに当てはまってしまった以上、最終的にはネビルにヴォルデモートを倒してもらわなければいけないのだ。ネビルでは無理だと言うわけでは決して無いが、それに至るまでの過程が重要な問題なのだ。
だから、原作でハリーが解決した事柄などは、ネビルに解決してもらうかオレが解決する。そして、原作での出来事で足りない役柄はオレがその立ち位置となって補うことで、なるべく原作での道筋に近づけよう、という方針でとりあえずは動くつもりだ
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