第三幕その七
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のだ」
己が高々と掲げるその槍を見ていた。それは全ての者がであった。
「今ここに。傷口を塞いだこの槍から再び聖なる血潮が滴り落ちてきている。今奇跡が起こったのだ」
「そうだ、奇跡だ」
「奇跡が再び」
誰もがそれを言う。そして彼は自ら聖杯に近付いく。すると箱は自ら開き聖杯が出て来た。それを手に取り高々と掲げる。神々しい光が全てを照らすのだった。
「聖杯は光を放つべきもの。全てを救う為に」
「聖杯のこの上ない救いの奇跡を」
「今こそ救いを」
「全てに対して」
騎士達もそれに唱和する。クンドリーは静かにパルジファルと聖杯の前に出てそのまま見上げたまま倒れ事切れた。その顔には満ち足りた笑みがあった。
アムフォルタス王とグルネマンツは彼女の亡骸を運ばせるとパルジファルの前に跪いた。騎士達も小姓達も彼を囲んで二人に続く。聖杯の光が彼等を照らし続けていた。
舞台神聖祝典劇 パルジファル 完
2010・3・2
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