第三幕その七
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第三幕その七
「ひとえに死を願った私が何と御身を死なせたとは。今は神々しい輝きに包まれて親しく主を仰ぎられた父上よ、今一度主の祝福が騎士達を蘇らせるものならば何とぞ主の聖なる血潮にとって皆があらたな命を恵まれるように」
「王よ、それは是非」
「御願いします」
「最後に」
「父上よ、御冥福を」
まだ父王に対しては言う。深い嘆きの顔で。
「そして私は今日を限りに」
「その様なことは仰らずに」
「それは何とぞ」
「わかっているが。だが」
しかしなのだった。
「私はそれでも。死こそがこの心臓を蝕む毒を癒してくれるもの。父上」
また父の棺を見ての言葉になっていた。
「何卒主に我が息子に安らぎを与え給えとお伝え下さい」
「では箱を」
「そしてお務めを」
また言う騎士達だった。
「どうかここは」
「御願いします」
「わかっている。だが」
王は小姓達が出してきたそれを開こうとする。しかしであった。
途中で手を止めてだ。そのうえでの言葉だった。
「駄目だ。最早私には」
「王よ、しかし」
「それはです」
「だが私は」
それでも言う彼だった。
「もうこれを開いて生きることは」
「できないと言われるのですか」
「それは」
「最早私にはできはしない」
項垂れた顔で語った。
「できれば私には死を。今すぐその癒しを」
「しかしです。それは」
「我等には」
「頼むのだ」
こう言うばかりになっていた。
「そして他の者がだ。聖杯を」
「いや」
しかしであった。ここでパルジファルが出て来たのであった。そのうえで王の前にやって来た。その右手にはあの槍がある。グルネマンツとクンドリーは騎士達の中にいる。
「それには及ばない」
「貴殿は」
「私は遂に辿り着くことができたのだ」
その槍を静かに携えての言葉であった。
「貴方の御前に」
「私の」
「だからこそこれを」
その槍を王の傷口である脇腹に当てた。するとであった。
それであの赤かった傷口が消えていった。忽ちのうちにだ。そして王の顔にも生気が宿った。
「おお・・・・・・」
「そして」
右手の槍を王の傷口から離しそのうえでの言葉であった。
「幸あれ」
「幸が」
「そう、貴方に」
こう王に告げたのである。
「罪を贖われ清められよ」
「そして」
「お務めは私が代わりその憂いも悩みも私が背負おう」
「我が憂いも悩みも」
「共悩の最高の力と至純な知の力が何も知らないこの愚か者にその憂いを共にさせてくれたのです」
こう言い終えると彼は部屋の中央に来た。そのうえで周りの騎士達に告げたのである。
「今この槍を」
「おお・・・・・・」
「その槍こそは」
「そう、今この聖槍を貴方達のところへ持ち帰った
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