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舞台神聖祝典劇パルジファル
第三幕その六
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第三幕その六

 そのパルジファルがだ。語るのだった。
「かつて私に微笑みかけてきた花達も全てしおれてしまった」
「花達が」
「あの花達も今日は救いに憧れているのではないだろうか」
 クリングゾルの城のあの花達のことである。
「今は」
「そうだというのですね」
「クンドリー、そなたの涙も」
 今度はクンドリーに顔を向けての言葉だった。
「祝福の露になった」
「私の涙が」
「そう、それが」
 こう語るのであった。
「見るのだ。野は微笑んでいる」
「そういえば」
「わかるな」
「はい」
 その周りを見たクンドリーへの言葉だった。
「それが」
「よく」
「そういうことだ。全てが清められるべきなのだ」
 そしてだった。遠くから鐘の音が聴こえてきた。グルネマンツはそれを聴いてまた言った。
「午だ」
「午になったのか」
「そうです。ですから」
「行くというのだな」
「そうです。それでは」
 こうしてパルジファルとクンドリーを導いていく。そうしてだった。空間がそのまま時間になりだった。彼等はそのまま宮殿の中に入っていた。あの広間にだ。そうしてそこにあの時と同じまま王がいて騎士達や小姓達もいる。そのうえで聖杯の箱もある。だがそれだけではなくだ。棺もあった。
 その棺が誰のものかは言うまでもなかった。騎士達はその中央に置かれた棺も見てそのうえで悲しい声で語っていくのであった。
「厨子の守れる聖杯を」
「聖き務めに待ちきたりしが」
「暗き棺が守るのは誰の為か」
「悲しく担われるのは誰の身か」
 こう語っていくのだった。
「悲しき棺は勇士を守り」
「即ち聖なる力を守る」
「かつて神への奉仕に尽くせり」
「先王を導かれる」
 その言葉が続く。
「神に守られ神を守りし」
「先王を倒したのは誰か」
「老いの重荷に敗れたる死ぞ」
「聖杯を仰ぐことを阻まれし身に」
「聖杯の恵みを仰ぐのは」
「先王に拒まれるのは何者ぞ」
 こう話されていく。
「それは御身等の伴いきたれる者」
「罪深い守護者」
「今一度これを限りに務めを果たさんことを」
「守護者自ら望めば」
「この度を限りに」
「今こそ」
 そうしてであった。さらに話すのであった。
「悲しむべき聖杯の守護者」
「我等はこれを最後に貴方に務めを促す」
「今を最後に」
「これを限りに」
「そうだ」
 王は身体を起こし弱々しい声で語る。その声は以前より弱いものだった。
「悲しくも辛いこの身の上に禍いあれ」
 こう言ってであった。
「できればそなた等の手で死なせてもらいたい。死こそが私の罪深さに対する最も寛容な務めだ」
 そして棺を見てでだった。
「父上も私の為に。勇士の中でも一際気高く祝福された勇士」
 それが彼
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