第121話 何進暗殺
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用だぞ」
正宗はドスの効いた表情と声で二人を交互に見る。泉と瑛千は正宗の様子の変化にごくりと唾を飲んだ。
「何大将軍が地方の諸候に『兵馬を率いて上洛せよ』と招集をかけている。もちろん、私にも招集が掛かっているが無視している」
「!」
「!」
泉と瑛千は話の内容に驚いていた。
「このままいけば宦官は皆殺しだ。奸知に長けた宦官が黙って殺されると思うか?」
泉と瑛千は黙したまま顔を左右に振った。
「宦官達も保身のため陰で息の掛かった諸候を洛陽に呼び寄せるはずだ。その中に董仲穎も含まれると思っている」
「宦官達は董仲穎を役立たずと思っているのでないでしょうか?」
「宦官達は猫の手も借りたいはずだ。軍事に疎い宦官達だ。かき集められるだけの兵を集めようと思うはず。役立たずと思っている董仲穎も必ず呼び寄せる。それに狼のような番犬より主人の命令を忠実に効く番犬を望む宦官達だ。案外、董仲穎を重用するかもしれない」
「もし、董仲穎が重用されれば麗羽様や揚羽様の母上の身が危険に晒されるということでしょうか?」
「なるだろうな。賈文和は二人を私を抑える為の最良の手駒と思うはず。重用されずとも、二人を抑えれば私を抑えることができる。どっちに転んでも賈文和の損にはならない」
正宗の考えを全て聞いた二人は重大な任務を負ったと思うような表情になった。
「二人とも安心しろ。お前達はあくまで先駆けだ。勝つ必要はない。負けない戦を心がけ逃げることに専念すればいい。そのために私はいつでも援軍を出せるように準備する」
正宗は緊張した泉と瑛千を勇気づけるべく言葉を掛ける。二人は三十分程考え込んでいたが覚悟を決めたように正宗へ力強く返事した。
「いつ向えばよろしいのですか?」
泉が出立時期を確認してきた。
「出来るだけ速く頼むといいたい所だが、一週間休暇を与える。ゆっくり一休みして山陽郡に向うといい」
「それでしたら直ぐに山陽郡に向ってもよろしいでしょうか?」
「ああ、そうか。泉は故郷が山陽郡だったな。瑛千、お前はどうだ?」
「私は山陽郡に直ぐに向うことに異論はないです。ところで今夜の宴はどうなるのでしょうか? 宴には参加したいです」
瑛千は宴の催促をしつつ泉の顔を見た。
「瑛千、もちろん私も宴には参加するわけよ」
「決まったな。今夜はよく食べよく飲んで日頃の憂さを存分に晴らしてくれ。山陽郡へは明後日以降に準備が整い次第向ってくれ」
泉と瑛千は正宗に力強く拱手をし応えた。
洛陽 宮廷内裏某所??????
皇帝の家族の住まいである内裏であるため人気は疎ら。また、ここでは武器の携帯は禁止されている。
その内裏を一人急い
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