第121話 何進暗殺
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続けた。
「それはない。あの時、私の前に現れた賈文和の連れて来た兵士達は一糸乱れないほど統率が取れていた。泉、お前も見たはずだ」
「確かに言われてみればおかしかったです。とても統率が取れていて弱卒の集団に見えませんでした」
「指揮官が変わったことで兵の指揮に影響が出たと言えなくもないが、それだけ統率の取れている軍が連戦連敗は常識的あり得ないだろう」
「わざと負けて兵を損耗させたということですか? でも、それだと敗戦の責任を取らされるんじゃ」
泉は正宗に意味がわからないというと表情で言った。
「先任の盧中郎将を解任したのは誰だ?」
「!」
泉の表情は明るくなった。
「小黄門の左豊です」
「左豊?」
瑛千は初めて聞く名前の人物の説明を求めるように泉と正宗の顔を交互に見る。その様子に正宗は左豊を説明すると共に話を進めた。
「左豊は宦官だ。賄賂を渡さない盧中郎将を讒言で失脚させ、その後釜に董仲穎が送り込んだ。話を戻すが、もし董仲穎の敗戦の責任を追求したら宦官達も連座することになる」
「董仲穎は宦官と通じているということですか?」
「董仲穎は涼州の小勢力。この時代は血筋が無い者が中央の権力を欲するなら宦官と通じるのが一番の近道だ。だが、董仲穎に関しては宦官と通じているというより、互いに利用しているというのが正しいだろう」
「でも、結果は負け戦続きだったんですよね。軍をしっかり統率できたのに。確かにおかしいです」
泉も瑛千も得心いったという表情をしました。
「中央の権力を欲するなら戦功を挙げようとするはずだ。態々、負けようとするのは負けることが自分達に利すると思っているからだ」
「だから、董仲穎は乱が収まることは望んでいなかったということですか」
泉は正宗の言葉を継いだ。
「正宗様、軍師の賈文和が絵図を書いたのでなく、董仲穎自身が書いた可能性はないのですか?」
瑛千は正宗が賈文和を警戒する理由は理解できたが、彼女は警戒すべきは董仲穎と思っているようだった。
「詳しくは言えないが私は董仲穎の人となりを知っている。人死を最も嫌う者だ。わざと兵を損耗させるような真似はしない。表向きは董仲穎に軍事の全権があるが、実態は賈文和が掌握していると見ていい」
「断定なされるのですね。わかりました、その言葉信用いたします。しかし、賈文和が洛陽の権力闘争に介入できるのでしょうか?」
「涼州の小勢力が洛陽で幅を効かすなど無理でないですか?」
泉も瑛千も董仲穎が中央に出張るのは不可能と思っているようだ。
正宗は二人の態度を見て目を綴じ考え込む。数分後、正宗は突然刮目すると二人を見て話始めた。
「これから話すことは絶対に他言無
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