第121話 何進暗殺
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る。兵糧は冀州より定期的に届けさせる。行ってくれるか?」
正宗は真剣な表情で二人の表情を窺う。
「正宗様、大軍を引き連れ他国へ駐屯する意図をお聞かせ願えますか?」
「ちょっと瑛千、私の言葉を取らないでくれる。ここは私に譲るべきじゃない」
「何故?」
「何故って・・・・・・。もういいわよ。正宗様、駐屯の理由をお聞かせください」
泉は項垂れながら正宗に話を進めるように言った。
「都の変事に備えるためだ。都で何かあれば、都にいる麗羽、揚羽の母上の身に危険が及ぶ可能性がある。そのための備えとして?州に兵を駐屯させる。駐屯先を?州にした理由は都に近過ぎても無用な疑いを受けかねないからだ。それに、縁者の治める土地の方が何かと融通が効く」
「都は危険なのであれば、麗羽様と揚羽様のお母上には冀州にお下り願えばいいのではないでしょうか?」
泉は正宗に素直な気持ちを伝えると瑛千も頷く。彼女も泉と同じ意見のようだ。
「私も、そう思うのだが・・・・・・。麗羽はともかく、義母上は都がどんな状況になろうと絶対に下野することはないだろう」
「何故ですか?」
「『義母上は漢臣として務めを放棄することはできない。その結果、死するなら本望。後事は朗に任せる』と私に文を送ってきた」
正宗は泉の言葉で複雑な表情で答えた。正宗は揚羽にも彼女の母親に解官して下野するように説得するように促したが結果は芳しくなかった。
「麗羽様はいつごろ下野されるおつもりなのでしょうか?」
「麗羽は限り限りまで都の情報を私に伝えると伝えてきている。定期的に届く文の内容ではいつ下野するかわからないが、都の不穏な空気から察するにそう遠くはないはずだ。念のため水蓮(夏候蘭)に精鋭百騎を与え、明日にでも都に派遣する手筈だ」
「都はどのような状況なのでしょうか?」
瑛千が質問してきた。正宗は一呼吸置いて話始めた。
「皇帝陛下がお隠れになったのは知っているか?」
正宗は人の耳を憚るように、泉と瑛千を側に呼び寄せ囁くように二人に言った。
「皇帝陛下がお隠れになったのですか?」
「初めて知りました」
泉と瑛千は驚きの表情を浮かべていた。劉宏の崩御は数ヶ月前まで箝口令がしかれていた上、幽州の辺境に居たことも加味すれば二人の様子はおかしいことでない。
「皇帝陛下が崩御し、現在、弁皇子が皇帝に即位したが求心力が弱く空位の状態とあまり変わらない。そんな中、先帝の御子である弁皇子を押す何進様達と協皇子を押す宦官達が熾烈な権力闘争に明け暮れている」
「正宗様は都に上洛しなくても大丈夫なのですか?」
泉は正宗が麗羽と縁のある何進に協力しないことが不思議なようだ。
瑛千は正宗と何進の関係
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