第三幕その四
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第三幕その四
「それで今少しの汚れも起こらないように」
「どうされるおですか?」
「長い迷いの旅路の塵を洗い落として差し上げようと思う」
「わかりました。それでは」
「ではこちらへ」
グルネマンツは彼をある場所に導いた。そこは泉だった。
その泉のほとりに来ると二人で彼のその鎧を外していく。そうしてその黒い騎士の装束の姿を見た。そのうえでだった。
パルジファルは自分から話してきた。
「それでなのですが」
「はい」
「今日のうちに王のところに案内して頂けるでしょうか」
こう言ってきたのである。
「それは駄目でしょうか」
「いえ、無論です」
グルネマンツはそれは言うまでもないと答えた。
「是非共。それは」
「そう言って頂けますか」
「それにです」
「それに?」
「今日はその先王の葬儀の日なのです」
このこともパルジファルに話した。
「そしてその今日に」
「王が聖杯をですね」
「その通りです。御子息の罪故に倒れられた先王の為にも」
出すと話すのである。
「尊い御身を清める為に王は務めを通じて罪をあがらわれるというのです」
「では今から」
クンドリーはその間に彼を清めていた。服の上からであってもだ。またグルネマンツは彼女が水を汲みに行くその間に彼の身体を清め服を替えていた。何時しか彼は騎士の白銀の見事な礼装になりそしてマントも羽織っていた。その姿になっていく中でクンドリーに声をかけるのであった。
「御前は私を清めてくれた」
「はい」
「今度はだ」
その厳かな言葉で語っていく。
「旧知の懐かしい手で頭を潤してもらいたい」
「それでは」
グルネマンツが出て来てだ。片手で泉の水をすくいパルジファルの頭にかけた。そうしてそのうえで彼に告げるのであった。
「清らかな人が純らかな水で祝福されるように」
「有り難き言葉」
「あらゆる罪の憂慮の思いがこうして御身から消え去る様に」
「これを」
クンドリーは聖油を取り出してそれをパルジファルの身体にかけていく。忽ちのうちに彼のその身体をかぐわしい香りが包んでいく。
「貴方はです」
「私は」
「あの方を救われてです」
グルネマンツは彼にこのことを話すのだった。
「そしてです」
「私はそれで終わりではないと」
「そうです。それからなのです」
今語るのはこのことだった。
「王の悩みを救われ」
「そうして」
「その最後の重荷をどうかお外し下さい」
「あの方が望まれるのなら」
一も二もないといった返答だった。
「喜んで」
「そうして頂けますね」
「是非共。そして」
「そしてですか」
「参りましょう」
こう彼に告げるのであった。
「その聖なる場所へ」
「わかりました。それでは」
そして
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