暁 〜小説投稿サイト〜
もしもこんなチート能力を手に入れたら・・・多分後悔するんじゃね?
ショートショートショート
[4/5]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
馬鹿丸出し人間にプライドの高いアリサが諾々と従う訳もなく、逆に公衆の面前でボロクソに罵られることとなった。

当然馬鹿なので彼は逆上してアリサに手をあげた。アリサもその可能性を考えていない訳ではなかったが、暴力が怖いから退くというのは彼女のプライドが許せなかった。そして・・・

「何だぁ糞餓鬼!その如何にも文句がありますってな顔は・・・」

と言いかけた男の背後に迫る影。どっかで見たことあると思ったら同級生の苗だった。
この時アリサは彼女が偶然ここを通りがかったのだと思っていた。彼女は散歩が好きらしいし、しっかりしている性格だから自分と違って正面から突っかからずに大人を呼ぶくらいの冷静さを持っている。そんな彼女がヤの付く人間に無謀にも近寄ることはしないはず・・・と思っていたのだが。
彼女は何故か全力疾走で馬鹿ヤクザ一直線に突っ込んでいた。

(ちょっとー!?何してんのアンタ!!前見なさい前!!)

一瞬こっちと目が合う。逃げろという意味を込めて必死に目線を送ったが、彼女は何故か任せろと言わんばかりに自信に満ち溢れたサムズアップを返してきた。そして―――

「苗ちゃんターックル!!」
「あぁん?」

ズ ド ン ッ ! !

まるで交通事故が起きた様な鈍い音と共に苗のショルダータックルは馬鹿ヤクザの腰辺りに命中。馬鹿は、そのまま空を舞った。これぞ天空の汚物。但し汚物としての質が悪いためもう直ぐ墜ちるだろう。

「ぎゃあああああああああああああでぶふぉ!?!?」

無様に落下した馬鹿は泡を吹いてビクンビクンしてる。そしてそれをやった苗自身はというと、倒れた馬鹿を足蹴に「わっはっはー!完・全・勝・利!!」等とのたまっている。
彼女は小学生で女の子だ。いくら頑張ったって大の大人を宙に浮かせるプロレスラーや力士のような真似は出来ない。が、良く思い出したら親友すずかも人間離れした身体能力を持っていることを思い出した。え?何よこいつら本当にホモサピエンスな訳?ひょっとして実はあれだけ出来るのが今の若者の当り前?「若者の人間離れ」って本当だったわけ?テニヌ?バヌケ?

「やぁ!大丈夫アリサちゃん・・・って大丈夫じゃない!?怪我してるじゃん!」
「苗・・・」
「えーっと湿布と消毒液と・・・え、何?」
「人の定義って・・・何だろう」
「はぁ。『我思う故に我あり』なんて言葉があるくらいだし、自分を人だと思ってたら人なんじゃない?ほら、そんなことよりまずは肘出して!傷は小さいけど化膿したら大変だから、ね?」
「・・・そっか。うん」

そのうちアリサは深く考えるのを止めた。





〜吾輩はぽんずである〜

ぽんずは飼い主である苗に付随するようにてくてくと付いてゆく。
自分と大して変わらないサイズの
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ