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舞台神聖祝典劇パルジファル
第三幕その三
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第三幕その三

「今ここに聖杯グラールに添うべき聖槍ロンギヌスは戻りました」
「これこそ神の奇跡であり恵みです」
 グルネマンツはここまで聞いて恍惚となった。クンドリーもその隣にいる。
「貴方が槍と共に戻られたそのことがです」
「奇跡ですか」
「そして幸せでもあります」
 そうでもあるというのだ。
「ここはその聖杯の聖地です」
「はい」
「そして騎士達が貴方を待っています」  
 このことも話すのだった。
「貴方がもたらす救いが必要なのです」
「それがだというのですね」
「貴方が前に来られたあの日から」
 彼はさらに話した。
「王はその傷と魂の悩みにあがらわれるうちに」
「悲しまれてきたのですね」
「貴方と同じく」
 まさにそうだというのだ。
「その中で死を望まれるようになりました」
「遂になのですね」
「そう、遂にです」
 そうなったというのだ。
「騎士達の言葉もその姿も王の苦しみを止められず」
「あの聖なる務めもですか」
「できなくなりました」
 今のモンサルヴァートのことも話すのだった。
「聖杯は納められたままです。守護者は聖杯を仰ぎ見る限りは死にません」
「はい、それは」
「ですから見ることを止められてそのまま死を迎えようとされているのです。
「何ということか」
「我々もです」
 そしてグルネマンツ達もなのだった。
「その中で弱り衰え聖戦も絶えています。ただこうして城や森の中にその身をうなだれさせております。先王もまた」
「ティートゥレル王もですね」
「はい、あの方はもう」
 グルネマンツの語るその顔が殊更悲しげなものになった。
「やはり人です。我々もまた」
「私があの時気付いていれば」
 パルジファルはそれを聞いて深く嘆いた。
「この様なことにはならなかったというのに」
「しかしそれは」
「愚かだった」
 その嘆きは続く。
「何も知らなかったことは罪だったのか」
「いえ、そうではありません」
 だがグルネマンツはここで彼に告げた。
「それはです」
「違うと」
「全ては主のお導きなのです」
「あの尊い主の」
「左様です。ですから」
 そう話している間にだ。クンドリーは水を入れた鉢を持って来ていた。そしてそれをパルジファルにかけようとする。しかしであった。
 グルネマンツがそれを止めた。そのうえでの言葉であった。
「待て」
「何故?」
「そうするのではない」
 彼女に穏やかに話すのだった。
「神聖な泉そのものがこの方にだ」
「この方に?」
「水を受けさせて回復させるということだ」
 こう語るのである。
「だからだ」
「それで私は」
「それにだ」
 グルネマンツはさらに話す。
「今日のうちにもこの方が何かを果たすので
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