暁 〜小説投稿サイト〜
箱庭に流れる旋律
歌い手、未来に驚く
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「さあ、旗印の返却もとうに終わったのだから、早く帰りましょう。春日部さんの容態が気になるわ」
「もしかして、帰るって伝えに僕のところまで?」

 ふと周りを見ると、もうそこに人はいなかった。

「ええ。終わったことに気づいた様子もなかったし、置いていくのも気がひけたから」
「ありがとう。じゃあ帰ろうか」

 どうやら、僕には考え事をしていると周りが見えなくなるという悪癖があるようだ。



♪♪♪



 さて、時間は一気に飛びますが、今逆廻君、黒ウサギさん、飛鳥さん、ジン君の四人はサウザンドアイズに行っています。
 何でも、サウザンドアイズの傘下のコミュニティ“ペルセウス”の人たちが“ノーネーム”の敷地内で暴れて、暴言を吐いたため白夜叉さんに頼んで決闘をさせてもらうのが目的だそうです。
 僕一人が残ったのは、春日部さんが起きたときに無茶しないよう、監視することといざとなったらギフトを使って大人しく寝てもらうため。

「にしても、箱庭ってすごいなあ・・・あんな大怪我が二、三日で治っちゃうなんて」

 しかも、もしかしたら今日中には意識が戻る可能性があるとか。
 もといた世界じゃありえないことばかりが起きて、そろそろ感覚が麻痺しそうだ。

「う、ん・・・ここは?」
「・・・ホントに意識が戻ったよ・・・」

 言ってるそばから目の前で寝ていた春日部さんが目を開け、そうたずねてきた。
 まあ、おかげで安心できたけど。

「おはよう、春日部さん。調子はどう?」
「あ、奏・・・なんだか、頭がくらくらする」
「結構血を流したからね。今増血をしてるから、もう何日か大人しく寝てて」

 輸血を行わないのは、専門のコミュニティに頼まないといけなくて、お金がかかってしまうからだ。
 ノーネームは貧乏だから、できる限り節約しないといけない。

「そう、分かった・・・あの後、ゲームはどうなったの?」
「クリアしたよ。春日部さん以外は誰も怪我せずに」
「そっか。それならよかった」

 さて、謝るなら今のうちのほうがいいよね?黒ウサギたちがどこに言ったかを話しちゃったらそれどころじゃなくなるだろうし。

「春日部さん、今回のゲームでは色々とごめん」
「急にどうしたの?」

 まあ、説明しないとこうなるよね。さて、どこから話したものか・・・

「まず、あの場を春日部さん一人に任せちゃったこと。そのせいでそんな大怪我をしちゃったんだし」
「それは別にいい。多分、皆がいても無茶してたから」

 それはできればやめて欲しいなあ・・・仲間がいるんだから、頼ってくださいよ。
 春日部さんも、僕も・・・

「じゃあ、一番謝りたいこと。本来なら、春日部さんが怪我をする前に倒せたのに、ガ
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