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仮面ライダー酒呑
巻乃一 アフロ店長と割烹と料亭荒らし
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の一言で二人のシリアスモードは解除され、また元のおだやかな表情に戻るとドライバーを神棚に戻し、足並み軽く居間に向かって歩きだした。



時は過ぎ、午後10時。
割烹ののれんが外され常連客もほろ酔い加減で帰宅した時間に、装備を整えた幸四郎達三人は店の裏口から訪れていた。

「女将さん、約束通り料亭荒らしを退治しに来ましたよ。」
「「こんばんは。」」
「あ、いらっしゃい。では早速ですが、よろしくお願いします。」

犯人が、いつどこから入ってくるのか全くわからない以上うかつに動く事はできないため、幸四郎は拓郎と美奈子にモニターによる監視を任せ、本人は厨房に囮として用意した偽の食材を設置し、相手の動きを見ていた。
当然食い意地を張った料亭荒らしも、腹を空かせてのこのこ現れるはず…その時に奴らの後をついていって取り押さえられれば、それで御の字だ。
幸四郎は店の厨房入り口で待ち構え、犯人の到来を待つ。
もちろん、勝美や店の板長も料亭荒らしを捕まえるために店に残り、二人と共に動向を見守っている。
そして二人のそばには大きめの長方形をした木の箱が置いてあり、準備は万全に整った。

監視を始めて一時間、いまだに変化はなく人影ですら見当たらない。その後、二時間程モニターとにらめっこをしながら待ちかまえたが一向に動きはゼロ…遂には勝美が疲れているのか居眠りをしてしまい、三人も「今日は来ないな」とあきらめかけた、その時だった。

ガタッ!…ガサガサ、ストッ。

何者かが屋根裏から侵入し厨房に降り立ったのである、しかも二人も。
そしてアルミ台に乗っている偽の食材に手を伸ばし、それを風呂敷に包んで再び屋根裏へと姿を消したのであった
…引っかかったな!
これを好機と見た幸四郎は、あらかじめ食材にかけてあった探知の術を頼りに月明かりの中追跡を開始し、美奈子と拓郎も箱を背中に背負い勝美達を連れて後を追う。

幸四郎がたどり着いたのは割烹から50mも離れた近所の河原で、ちょうど野球ができるくらいの広さがあるが…あたり一面石と岩だらけのため、足の踏み場は全くない。
そこに、追い詰められた料亭荒らし二人と幸四郎が対峙していた。

『はぁ、はぁ、…くそっ!』
「ようやく追いついたぞ…この盗っ人どもめ!!」
『ちいっ、まさか人間に後をつけられるとはな…。』

美奈子達もようやく追いつき、全員は月明かりに照らされた料亭荒らしの正体を知った。
その二人の料亭荒らしは、彼が危惧していたとおり魔道衆の者…ねずみの頭部を持つ忍装束姿の『ねずみ忍者』と、いたちの頭部を持つ同じ忍者の『いたち忍者』であった。

『『もうやけだ、こうなったら…たたっ斬ってくれるわぁぁぁぁぁぁっ!!』』
「威勢はいいけど、お前達…自分の立っている足場の事を考えた
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