暁 〜小説投稿サイト〜
ドラクエX主人公に転生したのでモテモテ☆イケメンライフを満喫できるかと思ったら女でした。中の人?女ですが、なにか?
二部:絶世傾世イケメン美女青年期
五十九話:シスター・マリアの洗礼式
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の長いワンピースなので、日常生活ならともかく、戦闘中は非常に動きにくそうなんですけれども。
 シンプルながらキレイなラインで、着てみると意外と映えるんですよね!
 磨き上げた私のスタイルの良さのせいも、あるかもしれないが!

「……似合うな。綺麗だよ」

 ……驚、愕。

 なぜ、ここで、正しいイケメンみたいな対応をする!

 それを、マリアさんに、マリアさんの前で!
 発揮してくれれば、フラグの一つや二つや三つくらい、余裕で立っただろうに!
 私に、やってどうする!!

 が、褒められたからには一応は人として、礼のひとつも言わねばなるまい。
 不本意だけど。

「……ありがとう」
「……全く、嬉しくなさそうだな」

 お礼よりも、本音はむしろ愚痴りたい。

 が、まあ別に?
 コイツの嫁探しに私がそこまで心を砕く必要も、無いわけですし?
 城に戻れば、いいとこのお嬢様が、掃いて捨てるほど寄ってくるんでしょうし?

 ここは素直に、喜んでみてもいいか。
 十年ぶりにまともな服を着られて、それを褒められて、嬉しいことは間違いないしね!

「そんなことないよ。嬉しいよ、ありがとう」

 普通に、笑顔でお礼を言ってみましたが。

「……!……お、おう」

 なんだか赤くなって、顔を背けるヘンリー。

 ……これは!
 私のニコポ(りょく)は、残念な中身を知り尽くしているはずのヘンリーにすら、有効なのか!
 美女ってすごい!もはや、怖い!!

 いかんいかん、これは気を付けないと。
 今さら、フラグとか立ててる場合じゃないから!

「それより、ヘンリー。寝てないなら、今からでもちょっと休ませてもらったら?要るなら、ラリホーもかけるし」
「いいよ。さっさと出よう」
「でも。顔色が……って、あれ?」

 赤くなったせいか、顔色の悪さが、目立たなく。
 クマはすごいが。

「うーん……?ホントに、大丈夫?」
「ああ。メシ食ったら、出ようぜ」
「うん。じゃあ、回復だけするね」

 ということで、見た目上あまりにも気になる目の下のクマに手を当てて、ベホイミをかけます。

 あ、結構目立たなくなった。

「なっ……!」

 そしてまたヘンリーが、赤く。

 え?
 ……ナデポ?
 また、やっちまったの?私。
 でも回復するくらいのことで、まさかそんな。

「……あのさ。ヘンリー」
「き、急に顔とか触るからだろ!仕方ねえだろ!」

 まだ何も言ってないが。
 そんなんで少しの間とは言え、二人っきりで旅とかできるの?
 もう、別行動でもいいんじゃね?
 とかそんなこと言おうと思ってましたが。

「大丈夫だから!行くぞ!」

 
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