第123話 生きろ!!
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!!ピキッ!パキッ!
ユ「!!」
氷の盾にどんどんヒビが入る。
パキィンッ!!と氷の破片が飛び散る。盾が割れる直前に、私はしゃがみ込んでギリギリ咆哮を避けた。危機一髪。
ティ「ほぅ。俺の咆哮を避けるとはな。さすが噂に名高い氷上の舞姫だな。」
ユ「知ってたんだ。でも、残念ながら今回は格闘はしないよ。」
最近格闘しか使っていなかったからね。久々に造形魔法も使わないと魔力が衰えちゃう。するとティーロは怪しく微笑むと、
ティ「それを聞いて安心した。お前が格闘を使うと、俺も本気で戦わなければいけないからな。」
ユ「えっ?」
私はティーロの言葉に目を見開く。まさか、まだ本気じゃないのっ!?
ティ「闇竜の・・・闇刹那ッ!!」
辺りが真っ暗闇になる。四方八方、何も見えない。でも、刹那だったからすぐに明るくなった。安心したのも束の間、
ティ「俺がただの目晦ましをしただけかと思ったか?」
ユ「!!?」
足元を見て驚いた。私を囲むように床に巨大な紫色の魔法陣が書かれたいた。
ユ「あの短時間で・・・!?」
巨大な紫色の魔法陣は、不気味に光りだした。
ティ「さぁ、氷上の舞姫よ、『闇』の中で舞い踊れっ!!闇竜の・・・封壁ッ!!」
次の瞬間、巨大な魔法陣の外側から私を囲むように丸くカーブした紫色の光の壁(?)が現れた。光の壁はどんどん内側に寄って来る。まるで、私を閉じ込めるみたいに・・・私は雪隠詰め状態になっていた。
ユ「な、何なの、いったい・・・?」
私はどんどん中央に追い詰められていく。そして、私も光の壁も中央に来ると、光の壁は私を飲み込んだ。
ユ「うあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああっ!!!」
四方八方から押し潰されるような痛みが体全身に走る。その時、私の頭の中を『闇』が横切った。
デリオラによって崩壊していくブラーゴの街・・・
地に倒れてゆく街の人々・・・
お兄ちゃんに手を引かれて逃げる幼い頃の自分とお兄ちゃん・・・
それを追いかけるデリオラ・・・
絶対氷結で肉体を滅ぼし、消えてゆくお兄ちゃん・・・
泣き叫ぶ幼い頃の自分・・・
お兄ちゃんと、グレイの師匠、ウルによって封じられた巨大な氷の中のデリオラ・・・
この頃の私は何もかもが『闇』だった。その後も次々に私の今までの『闇』が頭の中を横切ってゆく。
ティ「これは17年間のお前の『闇』だ。」
私は、どれだけ『闇』を抱えて生きてきてたんだろう・・・?私の『闇』のせいで、みんなに迷惑を掛けて
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