暁 〜小説投稿サイト〜
ドラクエX主人公に転生したのでモテモテ☆イケメンライフを満喫できるかと思ったら女でした。中の人?女ですが、なにか?
二部:絶世傾世イケメン美女青年期
五十八話:修道院へ
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と、私が絞り直して差し出した布を、ヘンリーが荒っぽくむしり取ります。

「じゃあ、悪いけど先に寝るね。さすがに、疲れた」
「おう」
「ヘンリーも、早く寝なよ。私より消耗してるはずだし。じゃ、おやすみ」
「ああ。おやすみ、ドーラ」

 十年続けたこの挨拶もあと何回することになるのか、そろそろカウントダウンだなあ。
 なんてことを思いながら十年ぶりのベッドに横になると、思ったよりかなり疲れてたようで。
 あっという間に、眠りに落ちました。



 翌朝。
 ヘンリーに起こされました。

「おい。ドーラ。起きろ」
「はっ。もう、仕事?料理当番だっけ?」

 ガバッと飛び起きる、私。

「寝惚けてんなよ。……つーか、寝起きなのに色気のカケラも無いな」

 はっ、そうか。
 もう、脱出したんだった。
 そして色気ってなにそれ、おいしいの?

「寝起きでヘンリーに色気振り撒いてどうするのさ」
「そうだよな、お前はそういうヤツだよな。そんなことより、マリアさんだけど」

 はっ!
 まさか私が寝ているスキに、寝起きのマリアさんの色気に欲情した結果、私にもわけのわからない要求を

「これから洗礼受けるんだとよ。ドーラにも、できれば立ち会ってほしいとか」

 なんてことは無いですか、そうですか。
 ついでにフラグが立ったなんてことも、無いですね、そうですね。

「先に起きてたんだね、マリアさん。体力も無いし、弱ってたから、まだ寝てるかと思ってた」
「お前に庇われて、運ばれて、先に寝たんだから、そりゃ先にも起きるだろ」
「そうだけど。それを言うなら、ヘンリーはなんで私より先に起きてるの」
「俺は……、俺のことは、いいだろ」

 そう言えば、なんか顔色が。

「……ヘンリー。もしかして、寝てない?」
「……横には、なった」
「言ってくれれば、ラリホーでもかけたのに……って、私が先に寝たからだね」

 ラリホーは、覚えられました。

「とにかく。立ち会うなら、さっさと着替えろよ。俺は先に行ってるから」
「……わかった。すぐ行く」

 コイツを寝かしつけるにしろ回復するにしろ、話はあとだね。
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