一周年記念コラボ
Cross story The end of world...
つかの間の休息
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装し、動いている。襲ってくる様子はなかったが、その無機質な顔と得物の組み合わせは背筋が凍るような思いをした。
やがてお馴染みの円盤の昇降機が現れ、もはや慣れた様子でそれに乗る。今までになくゆっくりとそれは上昇していき、停止したフロアの目の前には人の身長より少し高いかぐらいのごく普通の両開き扉があった。
「ここ、だな」
「……だろうな」
「うん。とっととやっつけちゃおう!」
「……戦う前提なのか」
戦わないで済む僅かな望みはあるが、まぁ期待はしていない。
執拗なまでの、あの不快な観察は二層での戦闘が終了した時から感じていないが、代わりに1つ扉を挟んだ向こうが側からその気配を感じる。
「ここまで来たんだ。今さらだぜ?」
「ああ……」
4人で頷き合うと扉を同時に押す。
レイ、リン、レン、ゲツガはゆっくりと開いたその最後の部屋に足を踏み入れた。
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「……遂に、到達したか」
深紅の鎧に銀髪。その両の手には十字の紋様が入った大盾と対の十字剣。その鈍色の刀身からは真紅の血が滴っていた。
かつて1万人の人を電子の牢獄に捕え、その世界の消滅と同時に死んだ男はその未来の灰色の空を仰いでいた。
「ヒースクリフ、こっちは済んだよ」
「……掃討完了」
「終わったのニャ!」
「お疲れ様、ルビィ君、サフィール君、ラルル君」
笑顔で駆けてきた赤、青、黄の小さな少女達を彼はそれぞれに同等の慈しみを込めて労った。
「「「むぅ…………」」」
「……どうしたのかね?」
なぜか不満そうにする3人に流石の天才も戸惑う。
しかし、このやり取りは彼らの間で日常茶飯事だ。ヒースクリフは大してその理由について考察せず、話を進めることにした。
「アルクトスの王女殿下から舞踏会のお誘いだ。行こうか」
「また、ですか……」
「……苦手」
「……ご飯が出た試しが無いのニャ」
三者三様の反応をする彼の友にして《剣》である少女達の様子に自然と笑みをこぼしながらヒースクリフは《刻の塔》に向かって歩き出した。
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