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【ネタ】 戦記風伝説のプリンセスバトル (伝説のオウガバトル)
05 進撃 その一
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なっているはず」

 後々の話になるのだが、このロシュフォル教会弱体化は復興した新生ゼノビア王国の足かせとなる。
 大神官フォーリスの娘アイーシャが大神官となるのだが、力は大神官だとしても政治力においては小娘。
 そして、神聖ゼテギネアの代わりに全土を支配した新生ゼノビア王国は実質的な同君連合国家でしかなかった。
 かくして、戦火の復興と領内政治勢力の調停は新王トリスタンとその王妃ラウニィーの双肩にかかる事に。
 その果てに記された歴史は残酷だ。
 北方の大国ローディス教国の聖地奪回をはじめとした政治的摩擦の回避に失敗し、全面戦争の果てに新王トリスタン及び王妃ラウニィーも歴史の敗者として記される。
 ため息をついてなんとなくデスティンを含めた一同を見つめなおす。
 やるべき使命があったのだろう。
 やらねばならぬ正義があったのだろう。
 その果てが国家の積み木崩しならば、私達は何の為にこの反乱を起こしたのか。
 先の事を考えると、この一戦は本当に大切な戦いなのだ。
 新生ゼノビア王国の組織作りに、ロシュフォル教大神官としてノルンは絶対に必要な駒だ。
 ノルンの下にアイーシャをつけて、次期大神官教育を施し彼女に政治を学んでもらわないといけない。
 その為にも彼女の思い人であるデボネア将軍は絶対に殺してはならない。

「話がそれたわね。
 という訳で、黒騎士ガレスはこっちに来ないわ。
 そうね。
 一週間。
 一週間たったらゼノビアを攻撃してちょうだい。
 それまでは、ポグロムの森を抜けて城塞都市バイロイトまで進んでおくから」

 会議は終わりとばかりに椅子にもたれかかった私にデスティンが私に声をかけた。

「で、その一週間っていつから?」

 気だるそうに椅子に体を預けたまま、私は軽く手をふってその時を伝える。

「今、この瞬間からよ」



 二日目 

「全軍進撃!
 さぁ、ポグロムの森を一気に抜けるわよ!!!」

 反乱軍本拠地マトグロッソにて私の叫びに、歓声があがる。
 この地の住民は隣接するシャロームの姿を見ているので、早くから寝返りと根拠地の提供を打診していた。
 で、その交渉担当が私である。
 そこ。マッチポンプっていわない。
 なお、同じくシャローム隣接する貿易都市ロライマと自由都市アラゴアスもこっちに寝返った報告が。
 そりゃそうだ。
 そもそもポグロムの森は、ゼノビア城が陥落した晩に僅かに生き残った人々が森の中に逃げ込んだ逃亡先でしかなかった。
 が、ゼノビアを裏切ったアプローズ男爵率いる帝国軍に包囲され、降伏を選んだ人々に対してアプローズ男爵は森に火を掛け人々の命と共に焼き尽くしたのである。
 一夜にして燃え尽きた広大な森は25年の時を経て甦った
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