魔法先生ネギま!
0381話
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中ですっ!」
茶々丸がそう叫ぶと同時に、川から水を割るようにしてタコともカニともクラゲとも言いようのない魔獣が姿を現す。
「うわっ、エグっ!」
思わずそう声に出したのは美砂だ。何とも言えないような表情でその魔獣へと視線を向けている。そしてその声が魔獣の注意を引いたのだろう。触手のようなものを美砂へと向かって伸ばしてくる。
「きゃあっ!」
その触手を間一髪で回避する美砂。そして俺は美砂と魔獣の間に割り込んでその触手を掴み取る。
ヌルッとした感触が気味悪いが、美砂に触手を伸ばした所を見ると友好的な魔獣では無いらしい。
……いや、友好的な魔獣というのがいるのかどうかは知らないが。
「はぁっ!」
異形化している漆黒の角の力を使い、影を手に纏ってヌルヌルとした粘液で滑らないようにしてそのまま触手を力尽くで引っ張って魔獣を地上へと引きずり出す!
「キュキュッ」
妙な鳴き声を放ちつつも、地上に姿を現したまま口から生えている触手を1本に纏めて叩き付けてくる。
大ぶりなその1撃を回避し、掴んでいた細い触手を離して1本に纏められた触手へと手を伸ばし……強引に引き寄せてさらに地上へ、森の中へと引っ張っていく。
そのタコやらクラゲやらカニやらに似た姿から考えて、コイツは水中での戦闘が得意なのだろう。なら、地上に上げてから勝負を掛けるのがベストの筈。
「キュキュ!?」
魔獣も自分が水中から引き出されようとしているのが分かったのだろう。驚いたように周囲を見回しつつ、俺に掴まれていなかった触手を横から再度振り回してくる。
「千鶴!」
「アクセル君を中心に半径1mに領域を指定。赤の石よ、その力を示せ」
俺の指示が来ると分かっていたのだろう。即座に千鶴が赤の領域を展開。ドーム型の防御障壁が展開されて横薙ぎにされた触手をその障壁で防ぐ……というよりも、ニュルンッとでも表現出来そうな感じで障壁の上を滑っていった。尚、俺が捕まえている触手に関しては千鶴がきちんと認識して障壁を発動したらしく特に弾かれたり千切れたりはしなかった。
「うわっ、あれってどう見てもエロゲーの触手系モンスターでしょ」
「円なんかアレに捕まえられたらたっぷりねっとり、じっくりとあの触手で人には言えないような事をされちゃうんでしょうね」
「ちょっと、何で私限定なのよ!?」
「円さん、美砂さん。ふざけるのはそれくらいにして、アクセル君のフォローを!」
そう言いつつ、あやかは手に持っていた鮮血の鞭を振りかぶり……
「キュキュ!」
「……何?」
自分に危害を加えられようとしていると理解した魔獣が、なんと動かせる触手全てを上へと上げたのだ。
「……まさか、ホールドアップのつもり?」
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