第11話 「戦いは数だよ。兄貴。by家業再建中のルードヴィヒさん(自営業 二十歳)」
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、なんでも勝手に出来る訳じゃない。あの方、俺達よりも年下なんだ。まだ二十歳になったばかりだろう」
「士官学校を飛び級したぐらいだしな。オーディンの帝国大学に進まなかったのが、不思議なくらいだ」
ザ○を見上げていたヴルツェルが、振り返って、俺の方を見た。
怖く思えるほど、真剣な眼差しだ。
「いかに叛徒どもが破壊しようとも、帝国は辺境を見捨てぬ。この言葉を信じたい」
「皇太子殿下、いや帝国宰相閣下のお言葉か」
「そうだ。俺にどれほどの事が、できるのか分からん。だが、成すべき事を成したい。こいつに乗ってな」
成すべき事か……。
私の成すべき事とは、いったいなんであろうか?
私は何をなせば、良いのか。
「あ、そうそう。皇太子殿下のところにいるケスラー中佐が、途中で俺達と分かれ、クラインゲルトに向かうそうだ。辺境開発のことで、皇太子殿下から指示があるらしい」
「ほう。通りで、学者らや技術開発者が、乗り込んでいると思った。連中、皇太子殿下の指示できたのか」
「辺境の施設も、いいかげんガタがきてるからな。修理するのか、改良するのか、それとも作り直してしまうのか、その辺りを調べるそうだ。クラインゲルト子爵だけでなく、他の貴族達も、惑星クラインゲルトに集まっているらしい」
■宰相府 アンネローゼ・フォン・ミューゼル■
なだれが起きてしまいました。
書類のなだれです。
辺境からの嘆願書だけでも二十星系分以上あります。それもそれぞれ、分厚い束になっていました。どれほど嘆願したい事が多いのでしょうか?
皇太子殿下は、それぞれ優先順位を上げて出せ。と仰っていましたが、それでも書類が減るわけではありません。その上、各省庁からの決裁を求めるものもあります。
こういうものは、電子データではいけないらしく。紙の書類として回ってきます。
それぞれの惑星の嘆願書が混ざらないように、わたし達も気を使います。
それなのに……。
なだれが起きてしまいました。
また一から、分け直しですー。
「猫の手も借りたい。ラインハルト……は、いなかったな。まあいい、事務局に誰か行って、あの連中を呼んで来い」
皇太子殿下のお言葉に、マルガレータさんが走っていきました。
もう〜宰相府内は走ってはいけないんですよ。
それにエリザベートさん。他の方が来るまでに、上着を纏ってくださいね。最近、エリザベートさんってば、透けて見えるような服を着ているんです。
最初は、ボタンが取れて、胸元がはだけていたのに、殿下はまったく気づかずに、いたことが原因らしいです。
女のプライドを著しく傷つけられたらしく。
殿下をアッと驚かしてやる、と言い始め、だんだん過激になってしまいました。
でも、それを無視する皇
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