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DQ4TS 導く光の物語(旧題:混沌に導かれし者たち) 五章
五章 導く光の物語
5-38情報と宝を求めて
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ても、不適切です」
「そうか。面目無い」
「だめだったの?ごめんね、ミネア」
「ユウが、謝ることではありませんが。壁は、破るものではありませんからね。破らないでくださいね」
「うん、わかった」

 溜め息を吐きながら壁の穴の外に目をやり、ミネアがまた声を上げる。

「あれは。スライムですね。猫と、一緒にいるようですが」
「なんと!ミーちゃんが、スライムに!助けねば!」

 言いながら、さっさと外に飛び下りるブライ。

「ちょ、ブライさん!三階ですよ!」

 焦って手を伸ばすミネアの前で、ブライがふわふわと下降し、一階の屋根に降り立つ。

「……魔法で、浮かべるのでしたね……」

 ミネアが、脱力する。

「あのスライムからは、邪悪な気配を感じません。追いかけましょう」
「うん」

 続いて、ライアンと少女も迷わず飛び下り、難なく着地してブライを追う。

「……」

 ミネアも続いて、壁の穴からぶら下がるようにして、慎重に外に降りる。
 多少よろめきはしたものの怪我も無く無事に降り立って、三人を追う。

 ミネアが追い付くと、(いき)り立ったブライをライアンと少女が押さえ、スライムが懸命に身の潔白を訴えていた。

「ぼく、悪いスライムじゃないよ!友達のミーちゃんが心配で、会いにきたんだよ!」

 スライムの隣で猫も同意するように鳴き声を上げるのを見て、ブライがようやく落ち着く。

「むう。そうであったか。それは、悪かったの。ミーちゃんも、済まぬの」

 スライムがほっとしたように、応える。

「ううん、いいよ。おばあさんも、ミーちゃんが心配なんだね。おばあさんは、このお城の人なんだね?ミーちゃんが、言いたいことがあるって」
「なんと。ミーちゃんの言葉が、わかるのかの?」
「うん、あのね。サントハイムの王様は、不思議な力を持ってるけど。その王様に詳しい人が、サランの町にいるから、話を聞いてって。きっと、役に立つからって」



 スライムから情報を得て、城内の掃討も終え、一行は合流してサランの町に戻る。

 クリフトが、ミネアに謝る。

「申し訳ありません……。私ひとりでは、無理でした……」
「トルネコさんもあちら側になるとは、想定外でしたから……。私でも、無理だったと思いますから……」

 沈むふたりに、ブライが声をかける。

「この非常時じゃ。金目のものを持ち出したという話でもあるまいし、王子が許可されたのじゃ。いつまでも、気に病むようなことではあるまい」

 ミネアが、さらに打ち沈む。

「好き勝手やってる割に、なんだか役に立ってしまいそうだというのが、またやりきれないんですよ……」
「ふむ。複雑じゃの」



 サランの町に
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