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DQ4TS 導く光の物語(旧題:混沌に導かれし者たち) 五章
五章 導く光の物語
5-38情報と宝を求めて
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もんだ」
「それも、そうだな」
「アリーナ様!」
「この先、何が必要になるかわからないんだ。かさ張るものでも無いし、役に立つのなら、持っていったほうがいいだろう」
「……アリーナ様が、そう仰るなら……」
「あら?なんだか、不思議な笛があるわね。」
「トルネコさん……」
「なんだ、そりゃ。妙な形だが、笛は笛だろ?……妙な、魔力は感じるが」
「あら、そうなの。なんだか、不思議な力がありそうだと思ったのだけど。たぶんなにか、決まった使い道が、あるんでしょうけれど。なにかは、わからないわねえ。」
「おし。持ってこうぜ」
「マーニャさん……」
「なんだかわからねえなら、なんかに使えるかもしれねえだろ。姐御が気にするくれえだから、なんかあんだろ。たぶん」
「そうだな。ひとつ持ち出すのも、ふたつ持ち出すのも、同じだろう。可能性があるなら、備えるに越したことは無い」
「…………アリーナ様が、そう、仰るなら…………」
一方、三階のアリーナの部屋に差し掛かった、ブライたち。
ミネアが、ブライに問う。
「王族の方のスペースを兄さんに任せるのが不安で、こちらを選んだのは、私ですが。勝手に入っても、いいんですか?」
「問題無い。王族など、普段からプライバシーは有って無いようなものじゃからの。魔物が入り込んでおるような状況で、仲間を通す程度のことを、躊躇う理由も無かろう」
「そうですか。では、失礼します」
部屋に踏み込んだミネアが、すぐに中で立ち止まる。
「……壁、が……。本当に、蹴破ったんですね……。あんなに、分厚いものを……」
「うむ。一度蹴破り、仮修繕で城の資材を使い切り、取り寄せておる最中に、城の者が行方不明となったでの。仮修繕した壁を再度蹴破って、王子は旅立たれたでな。魔法の陣を組み、雨風だけは吹き込まぬようには、してあるがの」
「なんというか……ご愁傷さまです……」
「うむ。日々、何かしら厄介事を起こされる中でも、極めつけの事態であったの」
「本当に、ご愁傷さまです……」
同情の目をブライに向けるミネア、既に慣れたことと淡々と答えるブライの横で、ライアンと少女が破れた壁を観察する。
「ふむ。道具も武器も使わず、この壁を。やはりアリーナ殿は、まだまだ強くなられますな」
「アリーナは、すごいのね。私なら、武器を使っても、できない」
「ユウ殿は、まだまだ成長の途上ですから。素手でとはいかぬでしょうが、いずれはこの程度は、出来るようになられましょう」
「そうかな」
「はい」
ミネアが聞き咎め、声を上げる。
「ちょ、ライアンさん。なにを言ってるんですか。おかしなことを勧めないでください」
「はて。勧めたつもりは、無いが。不味かっただろうか」
「物の
喩
(
たと
)
えとし
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