暁 〜小説投稿サイト〜
もしもこんなチート能力を手に入れたら・・・多分後悔するんじゃね?
龍神演義・其ノ八
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存在も必要としないという事です」
「必要にしない?」
「ええ、例えばフェイトが何でもできる子ならばアルフは要らない子になるし、何でも自分で決められるならプレシアもいらない、魔導師として完成してれば教師の私も要らなくなります・・・どうです?そうなればフェイトは強くなっても独りぼっちです」
「そんな・・・そんなことないよ!アルフもお母さんもリニスもいらない人じゃないもん!!」

要らないなんてそんな筈はない。皆大事な家族だし、皆と一緒にいると楽しいじゃないか。そう言おうとしてふとフェイトは気付いた。

――そうか、寂しさを感じなければ皆がいないことを辛いとも”思えなくなる”のか。

「ふふ・・・あくまでたとえ話ですよ。でも考えてみてください、彼はこの『時の庭園』が応龍の角に挟まらなければ今頃私達にも出会わずにずっと次元のどこかを独りでフラフラしていたでしょう」
「・・・・・・」
「10歳前後の子供です。普通は親がいて友達がいて、学校ではしゃいでいるのが彼のあるべき姿です。独りぼっちは不安に感じる、それが当たり前です」

まぁこれはフェイトにも言えますが、と茶化したリニスはふとその表情に影を落とした。
それは彼女の底抜けの優しさと良心、そして母性が何よりもそう思わせる考え。

「辛い日々を過ごすのは不幸な事です。でも、辛い事を辛いと思えないのはもっと不幸なことだと私は思います」

それは本人がどう感じているとかではなく、他人から見てその姿が痛ましいのだ。劣悪な環境を当然として受け止める難民や貧民が異常に思えるように、”持つ者”にとって”持たない者”の姿はとても悲しく哀れに映る。そういう意味で、シャインの強さはリニスには良い事と思えなかったのだろう。


だから、フェイトは今日もシャインの後ろをついていく。
強い彼が、不幸(ふしあわ)せにならないように。彼の不幸を無くすために。
何より、自分の家族とずっと一緒に過ごしたいから。

「何所までついてくるんだよフェイト・・・」
「どこまでも、かな?」
「・・・せめて風呂とトイレと布団にはついてくんなよ」
「え?お風呂とトイレって同じところにある物じゃないの?」
「日本では違うんだよ日本では」

だから、今日もシャインは不幸ではありません。







さて、今までダラダラしていた分久しぶりにちょっとは働こう。と一念発起した俺は久しぶりに応龍コンピュータールームに籠っている。途中からはフェイトとプレシアも見に来て微妙に落ち着かない。親に宿題してるか見張られる子供の気分ってやつか。

それにしても町に飛ばした式神的な札たちは今の今まできっちり情報を集めてくれていたようで俺がやることはそれほど多くないんだが。お前らスゲェ仕事できるな。きっと前
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