氷の檻
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した様子もなく、悠然と俺達を見渡して……フレイヤの位置で視線を止めた
「……ほう、ほう。そこにおるのはフレイヤ殿ではないか。檻から出てきたということは、儂の花嫁となる決心がついたのかな、ンン?」
「は、ハナヨメだぁ!?」
「そうとも。その娘は、我が嫁としてこの城に輿入れしたのよ。だが、宴の前の晩に、儂の宝物庫をかぎ回ろうとしたのでな。仕置きに氷の獄へ繋いでおいたのだ、ふっ、ふっ」
スリュムの言葉にクラインが裏返った声で問い質すとスリュムは重々しく頷く
……明らかにサイズが違い過ぎるのはツッコミを入れたらダメなのだろうか?
いろいろな面で夫婦生活に支障が出ると思うんだが……
「……スリュムとフレイヤ?どこかで聞いたことがあるような……」
リーファがそう呟いて、助けを求めるように俺を見る
しかし、俺が答えるより前に(言う気はなかったがタイミング的に)フレイヤから鋭い声が飛ぶ
「誰がお前の妻になど! かくなる上は、剣士様たちと共にお前を倒し、奪われた物を取り返すまで!」
「ぬっ、ふっ、ふっ、威勢の良いことよ。さすがは、その美貌と武勇を九界の果てまで轟かすフレイヤ殿。しかし、気高き花ほど手折る時は興味深いというもの……。ふむ、羽虫にしてはなかなかに粒の揃っておるし。小さき者共を前菜とし、フレイヤ殿が自らを差し出すのを待つのも面白いやもしれんのう……」
自分の長い髭を撫でながら情欲の篭った視線をフレイヤからアスナ、ユウキ、リーファ、そしてシノンと順繰りに移してニヤニヤと厭らしい笑いを浮かべる
その視線を受けてフレイヤは毅然と睨み返し、アスナはキリトの後ろに、ユウキ、リーファ、シノンの三人は俺の後ろに逃げ込んだ
手持ち無沙汰になったクラインが期待するような目でフレイヤを見るが、華麗にスルーされ八つ当たり気味にスリュムを睨みつける
……俺は自分の彼女に対してのその言葉にゲームだとはいえさすがに黙っていられるほど大人ではない。軽くスリュムを睨み、後ろ手で三人の頭を撫でながら口を開く
「俺の彼女たちに手を出そうとするか……。お前は俺の持ちうる手をすべて使ってでも……殺す」
剣を腰から引き抜いてスリュムに向けるとスリュムは小ばかにしたように鼻で笑った
「おうおう、口だけは達者なようじゃな。その威勢、目の前で手折られる彼女を見ても保てるものかのぅ」
「お前にはこいつらに指一本触れさせない。だからそんな状況には絶対にならない」
「どれ、ならば確かめてみようかのぅ。羽虫がどの位舞えるかどうか」
スリュムが軽く身体を屈めるのを見ながらクラインとキリトに声をかける
「キリト、クライン。これで負けたら男が廃るぞ」
そう言うとキリトとクラインは武器を構えてニヤリと笑っ
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