星屑の覚醒
8 弾ける殺意
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落ち着けない。
もうどうしたらいいか分からない。
怒りが再び込み上げてくるが、ぶつける対象を自分の手で殺してしまった。
もう怒りを自分でどうにか出来ずに絶望する他なかった。
だがそんな彩斗の事情など知ることもなく、彩斗が閉ざした廃工場の鉄の扉が開く音が響いた。
「.......何だ...」
彩斗は開いた扉から入ってくるデンサン港の灯台の光を見た。
影がいくつか見える。
数人の男たちが扉のところに立っていた。
だが男たちは驚きの声を上げていた。
「なんだこれは!?」
「うっわ...オエェェェ!!!!」
血の匂いにやられたのか、吐きそうになっている様子が伺える。
光で照らされ、ようやく工場内の現状が明らかになった。
あちこちに単なる"肉片"が転がり、血の海が広がっている。
これはその元凶である彩斗にとっても吐き気をもたらすには十分過ぎるものだった。
だが彩斗はそんな中、驚きつつも無表情でいる1人の男を見た。
身長は175センチメートルといったところに黒のスーツ、紫のネクタイ、縁無しの眼鏡、少し長めの髪が垂れている。
「これは君がやったのか?」
男は彩斗と20メートル程距離を開けたところで止まった。
彩斗は頷くことも返事をすることもせずにただ男を見ていた。
真っ暗な廃工場、沈黙に包まれた世界。
10月26日午後9時34分。
これが光彩斗とこの男『安食空夢』の出会いだった。
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