星屑の覚醒
8 弾ける殺意
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気づけば自分の体に凄まじい激痛が走り、自分が殺される番を迎えている者もいた。
そしてとうとう残りは自分だけになっていることに気づく。
もう相手の正体などどうでもいい。
どうやったら自分だけでも助かるか。
それしか頭にはなかった。
だが皮肉にも、知るのを諦めた瞬間にそのハンターの正体を知ってしまうことになった。
「!?ウワァァァ!!!」
いきなり顔面に骨のような突起物が思いっきり激突した。
鼻の骨が折れるのが分かった。
肘のような小さな力でも大きなダメージを生み出す部分だ。
そして足を払われ、胸ぐらを掴まれ、その場に倒れた。
「...僕が死ぬまでいくら賭ける?」
「!?...そんな...お前...」
真っ暗な中、天窓から入る僅かな灯台の光が薄っすらとこの異常な殺人鬼の姿を映しだした。
見覚えのある顔だった。
男か女かはっきりせず、いつも無表情で何を考えているか分からない。
殴られているときはまるで人形のように生気を無くしたような顔をしていて気持ちが悪いが、殴るとスッキリするという公共のサンドバッグとして扱っていた男。
沢城アキこと彩斗だった。
飼い犬に手を噛まれるとはこの事だった。
「沢城...お前...何で!!!?何でみんな殺しちまったんだよぉぉぉ!!!」
両手に持っている黒と白の刀のことなど全く気づくことなく、大声で彩斗に言った。
激しい怒りが湧き上がっていた。
自分たちがなぜタダのサンドバッグ同然の人間に殺されねばならぬのか?
それが理解出来なかっただった。
だがそれ以上に彩斗の怒りは収まることを知らなかった。
「...お前らなんか死んで当然だ...ミヤや僕をこれまでさんざん苦しめてきたお前らなんか!!!」
「何だと!!?テメェなんざ、俺らの足元にも及ばねぇ糞野郎だろうが!?そんなの当たり前なんだよ!!!う!?ウワァァァ!!!」
彩斗は顔面を蹴りつけた。
ただでさえ強すぎる殺意を抱えていたというのに、全く反省の色が無いことに更に殺意の塊が黒い勾玉でも形作るように磨かれる。
何度も何度も、体重を込めて鼻の骨が手術でも治らぬ程に。
「悪かったって!!!やめてくれ!!!!やめろって!!!?」
彩斗は再び甲高い笑い声を上げた。
「アッハ...アハハハハハハハ!!!誰が一番、情けなかったと思う!?ズレたことしてカッコイイと勘違いして、自分たちから社会の輪から抜けだしたゴミクズだって気づかずに!!?」
「悪かった!!!やめて!!!殺さないで!!!もう!!やらない!!!お前のことも!!高垣のことも!!!だから許してくれ!!!」
彩斗の足元に縋り付く。
だが彩斗はそれを軽く蹴り飛ばした。
そして仰向けで倒れると、見下ろす彩斗の顔が見える。
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