二章 剣と拳のファーストアタック B
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りサラの機嫌は良くなかった。
なんの遠回しもなくシンプルな罵声を飛ばしてくる時は本気で怒っているというのを京介は知っている。サラの意見を全く聞かずに話を決めてしまったのは正直悪かったとも思う。
「ともかく試合相手が決まったんだ。帰って小春に報告しねぇと。日本拳法部の諸君、騒がしくして悪かったな」
『いえ、それは全然かまわないのですが…あの、がんばってくださいね?』
「おう!お前らこそ頑張って勝ち抜けよ?さぁ帰るかサラ…ってあれ!?」
気づくと先程まで横にいたはずのサラの姿がない。
バッと京介が後方を振り返ると、既に帰路に着いたサラがもう豆粒のように小さくなっていた。
もはや口も聞きたくないという意思の表れなのか彼女の歩行速度は普段の数倍ほどもある。
「おい!待てよサラ!!置いてくなよ!!」
そのサラを追いかけて京介も走っていく。
みるみるうちに二人の影は小さくなり大きな交差点あたりで曲がって視界から消えた。
「本当に大丈夫なのかな…」
後に残された三人組は夕日が差し込みだした町のくたびれた集会場前で、二人の消えた方角をしばらく心配そうに見ているのだった。
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