二章 剣と拳のファーストアタック B
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て喧嘩売ってんだろうな!!』
「いや、全く・・・・・・てか喧嘩自体売ってないし…」
『え!?マジでこの俺を知らねぇーのか!?』
不良は完全に意表を突かれたような反応を見せる。
それだけ己の知名度に自信があったようなのだが剣道部の二人はこの人物が一体どこの部活動の人物かさえも全く検討つかない。
「こ、この人はこのB地区で有名な不良でボクシング部の人ですよ!…」
当事者からすっかり第三者になってしまった日本拳法部の子がひっそりと教えてくれる。
なるほどボクシング、改めてみると納得の体格である。
「仕方ねぇから教えてやる!俺はこの如月学園最強ボクシング部のエース!『五十嵐豹牙(イガラシヒョウガ)』だ!!全国でも注目されてるスーパーボクサー!この俺にまだ喧嘩売ろってか!?あ?」
怒っている状況で親切にも自己紹介するあたり、実はこいついいやつなのかも…という気もしなくもないが今はそんなこと思っている場合でもない。
「俺はB地区剣道部の副部長をやってる御剣京介だ。こっちが神崎サラ。さっきもこいつが言ったように俺達はこの日本拳法部に試合を申し込みにきた」
『だからこれは早いもの勝ちだろ!俺の方が早かったんだから当然俺が!』
「待ってください!!」
今度は日本拳法部の子が割って入る。
ひょろひょろの三人組の中では一番背の高い少年。
その道着の使い込み具合からどうやら彼が一番歴の長い経験者、おそらく部長なのだろう。
「なんだお前?テメェは引っ込んでろよ!」
『嫌です!御剣さん…でしたか?僕は試合をするならあなた方がいい!この五十嵐って人は僕達にわざと負けるように脅しにきたんです!苦労して作った部活がそんな風に無くなるなんて絶対嫌だ!正々堂々戦いたいんです!』
おとなしそうな彼が必死に訴えてくるその目は真剣そのものであった。
自分の部活がなくなるかもしれない現状でも「わざと負けろ」なんて言葉はスポーツマンシップの風上にも置けない。
こんな彼の姿を見せられて京介は黙ってはいられなかった。
「そっかそっか、状況は大体理解できたし君の伝えたいことはよく分かったよ。…けどごめん・・・それはできない」
『そ、そんなぁ!?』
「ふはははは!やっと身の程が分かったか!じゃあさっさと帰って…」
「おい!五十嵐豹牙!!」
笑いながら中傷する五十嵐の言葉を京介は強い口調で遮った。
「俺はこの日本拳法部の子達よりも断然潰してぇやつができた!お前のボクシング部…俺達剣道部が終わらせてやるよ!」
思いもよらない展開にそ
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