第九十四話
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夜、イリヤは俺を連れると未音川へと来ていた。
イリヤは大きな排水口の先から嫌な魔力を感じたと言う。
それが何となく気になって来て見たのだが、排水口の先に着いたとき、空からバリバリと雷を蹴る音を響かせて二頭の牡牛が引く勇壮なる戦車に乗ったライダーが駆けて来てイリヤの前へと止る。
「おお、昼間の小娘ではないか」
「そう言えば名前を名乗ってなかったわね。あの時はそう言う出会いも良いかもとわたしも教えなかったのだけれど」
「そうであるな。だが二度目とも成れば余も名乗ろう。我が名はイスカンダル。名高き征服王とは余の事よ。それとこれが余のマスターだ」
ひょいと御者台の隅に居た少年を引っつかんで紹介するライダー。
「ちょっ!ライダーっ!何を言ってやがりますかっ。て言うかもしかしてキャスターのサーヴァントっ!?」
なるほど、確かに何も情報がなければ残りのキャスターと勘違いされてもしょうがないかもしれない。
「わたしはイリヤスフィール。そしてこっちがわたしのサーヴァント、チャンピオンよ」
「なっ!?聖杯戦争は全部で七騎のはずだろうっ!?」
と、イリヤの答えにライダーのマスターである少年が吠えるが、ライダーはさして気にした様子は無いようで話を続ける。
「イレギュラークラスと言う奴か。ふむ、どうだ?余の傘下に入らんか?」
「残念ながら俺のマスターは今の所イリヤなんでね」
彼女の望まぬ事は出来ないと断る。
「むう…どいつもこいつも断りよる」
「それで、ライダーは何をしに来たの?」
「余のマスターが此処にキャスターの工房があると突き止めたようだからな、倒しに来たのよ」
「ふーん」
「そうだ、おぬしらも来ぬか。キャスターの討伐におぬしらも来たのだろう?」
「わたしは何となく気になったから来ただけよ。でも、キャスター討伐ってどうするのよ。工房攻めはそう簡単じゃないはずよ」
「それはぶち当たるだけぶち当たってみなければ分からん。意外とどうにかなるかもしれん」
「呆れた…でも、面白そうね。ご一緒させてもらうわ」
「ええっ!?」
「そうか、では余の戦車に乗るがよい」
驚く俺を余所にイリヤの細腕を掴み戦車へと引っ張り乗せるライダー。
「ほれ、貴様も乗るが良いl。まさかマスターを一人で乗せる訳にも行くまい」
あっけに取られつつもイリヤを守るために彼女を抱え込むように俺もライダーの戦車へと乗り込む。
「ららら…ライダーっ!これはあれだろ?おかしい事だろ?いや、おかしいはずだよな?何で八騎目のサーヴァントが居るんだよっ!」
「む、そうであったな。その辺はどうなのだ?」
マスターの少年はテンパリながら叫び、今更気が付いたかのよ
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