第九十四話
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ガメッシュが居るのだが、いつの間にかライダーが声を掛けていたようだ。遅れて現れたギルガメッシュは俺をひと睨みしたあと、興味も無いとライダーの問答に加わった。
アインツベルンの城の中庭で、なんとなく自然と王様組みとそれ以外とで分かれて座る。
向こうはワイン樽を開け、なぜか柄杓で飲むと言うトンチンカンな事に成っているが、それは半端にこの日本の知識を得たが故の行動だろう。
それに突っ込めるのは此処では俺だけのようだが、真面目にやっている彼らに突っ込んでは羞恥で殺されかねない。黙っていた方が良さそうだ。
それに、ギルガメッシュは酒にも柄杓にも満足しないのか、虚空から酒と酒盃を取り出してセイバーとライダーに与えていた。
「こちらも始めましょう。チャンピオン、何か無いの?」
「おーい、そこで俺任せですか。まぁマスターの命令なら何とかしますけどね」
勇者の道具袋を取り出し、その中からテーブルと椅子を取り出すと設置する。椅子を引いてイリヤとアイリスフィールを座らせるとウェイバーもついでに同席させた。
何やらこちらを見ていたギルガメッシュが地べたに座る事を良しとしなくなったようで、あちらには豪奢なテーブルと煌びやかな椅子が用意されていた。
酒と酒盃以外にもギルガメッシュは色々と持っているようだ。
勇者の道具袋の中からシュークリームを取り出すとテーブルの真ん中の置きグラスを取り出し皆に配った。
さらに取り出したのは虹の実ジュース。まぁシュークリームにお酒を合わせるのも趣味が悪い。
背後からワインソムリエのようにボトルから虹の実ジュースを注ぐと、途端に香る芳醇な香り。どうしても飲みたいと言う欲望を誘う匂いだ。
「チャンピオン、これは?」
先ずはイリヤのグラスに注ぎ、アイリスフィールのグラスへ注いでいた時、イリヤからの質問。
「ただのジュースだ」
アイリスフィールのグラスへ注ぎ終わり、ウェイバーのグラスへと注いでいた時、アイリスフィールから否定の声が上がる。
「そんなはずは無いわ。英雄の持ち物がただのジュースだなんて…」
ウェイバーのグラスに注ぎ終わるとイリヤの背後へと控える。
乾杯の合図は必要なかった。
はしたないとか毒が盛られている可能性すらその時の彼らは頭から抜けていたに違いない。
手前のグラスを持ち上げ、その中身をただ口に含み、嚥下たい。その衝動だけだ。
口をつけ、飲み下す。
ただ一口、口にしただけで彼らはこの世のどの飲み物にも勝る味わいを堪能した事だろう。
言葉は無い、しかしその顔がそのおいしさを物語っていた。
「もう一度聞くわ。チャンピオン、このジュースは何?」
問い掛けるイリヤだが、それは三人の総意であるようだ。ア
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