第九十四話
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道があるのではなく、もはや彼が走破した所が道となっている感じだ。行き先がアインツベルンと城と言う事は、待ち構えているのはイリヤの母親だ。それに気が付いたイリヤだが、流石に今この戦車を降りるわけにも行かない。
「到着だ」
地面を抉りながらアインツベルンの居城の前へと舞い降りるとライダーは大声でセイバーを呼びつけた。
根城に奇襲をかけられてすっ飛んでくるセイバーとアイリスフィール。
ライダーとセイバーが一触即発なその横で、こちらはこちらで微妙な雰囲気だ。
「アリア?あなたはなんでそんな所に居るのっ!?」
「…お母様」
イリヤの囁きはしかし小さく、どうにかアイリスフィールに聞かれずに済んだ様だ。
「止ってくださいアイリスフィール。彼女が連れているのはサーヴァントだ」
駆け寄ろうとしたアイリスフィールを制止する声が響く。
「え?」
そこでようやくイリヤを守るように立つ俺の存在を思い出したようだ。
しかし、サーヴァントかどうかはマスターならば判別付くだろうに、それが出来ないと言うのは出来ないほどテンパっていたのか、本当に出来ないのかだ。
後者ならやはりセイバーのマスターはアイリスフィールでは無いのだろう。
「制止させずとも大丈夫だぞ、セイバー。今日は戦いに来たのではない。それは余が保障しよう。此処で彼らが争うと言うのなら、余自らが誅殺するであろう」
「それを信じろと言うのかっ!」
「それはまぁ、信じてもらわねばならぬのぅ」
「大体聖杯戦争で呼ばれるサーヴァントは7騎のはず。だったらなぜ8騎目のサーヴァントが居るのだ」
「さて、それは余にも分からぬが、大した問題でもなかろうて」
「ライダーっ!」
「ライダーにも言ったけれど、わたし達は今回の聖杯戦争の参加者ではないわ。それに、わたしのサーヴァント、チャンピオンは英霊じゃない。ただの人間霊をサーヴァントシステムに当てはめただけ。英霊の方々が気にするような存在じゃないのよ」
イリヤが本日二度目の説明。
「英霊じゃ、無い?」
「英霊になった覚えはないね。その英霊の座と言うものにすら招かれた覚えも無い」
問うセイバーに正直に答える。
本当に俺は英霊になった覚えは無いのだから嘘は言っていない。そこらの人間霊を連れてきたという説明も間違いじゃない。大体究極的には英霊も似たような物なんじゃないか?分からないけれど。
それを聞いたセイバーは再びライダーとの問答に入り、何やら聖杯をかけての問答。名付けて聖杯問答が開催されるようだ。
なんでも王としての格を見せ付けた上でなら誰が聖杯に相応しいか戦わなくても分かるだろうというライダーの持論ゆえだ。
王様と言えばもう一人、ギル
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