第九十四話
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の暗がりで不鮮明だったそこを魔術で見たその凄惨な光景には耐性が無かったようだ。
ショックで吐露を繰り返している。
「…これは」
イリヤもどうやら見てしまったようだ。
そこに有ったのは人間であったナニカだ。切り刻まれ、血を抜かれ、内臓がはみ出していてもまだ生きているのだからその光景は醜悪すぎた。
この光景にショックを受けるウェイバーやイリヤはまだ人間として好感を持てる。これを何の躊躇も無く作り上げられる事に同意してしまうのなら、それはすでに人間として終わっているのではないか?
ライダーもこの光景を嫌悪するウェイバーを頼りないが、快く思っているだろう。
しかし、ライダーの顔は凄惨な光景に歪められるのではなく、戦闘を前にした武人の顔へとなっている。
それをいぶかしんだウェイバーが突っかかると、アサシンに囲まれていてそれどころでは無いと答えた。
ああ、それには同意だ。俺達はいまアサシンに囲まれている。
俺もそっとイリヤを守る位置に構える。
「アサシンが4体…?分身する能力持ちと言う事ね」
直接的な戦闘能力が低いアサシンも数が多ければ別だ。一人二人を相手にしている内にマスターを狙われては敵わない。
アサシンのクラスは対魔力のスキルを持ち合わせていない。もちろん、生前から持ち合わせていれば別だろうが、魔術師ではない暗殺者にその可能性は低いだろう。
俺はアサシンの一人に万華鏡写輪眼・八意を使う。
思兼よりも使う事の無い能力だが、敵の知識を奪うと言うこの能力はこのような未知の敵には優位な能力だろう。
一瞬で読み取った情報から、比較的に重要度の高いものを整理する。
アサシンは個にして群のサーヴァントであり、分裂して増える宝具・妄想現象を持つ。
最大80人ほどまで分裂でき、今ここに居るアサシンを倒してしまったとしても大勢に影響は無い。
マスターは言峰綺礼。
これには驚いた。綺礼はアーチャーのマスターだと思っていたからだ。
遠坂時臣と綺礼は同盟関係で、諜報活動に使われ、潰されてしまうのではないかと憂慮しているし、どうやらそうなりそうだとは思っているが令呪の縛りには抗えない。
今回の事はこんな暗がりにのこのことやってきたライダーのマスターを殺してしまおうと功を焦った為。
ふむ。とりあえず、ここに居る奴らを倒してしまっても聖杯にサーヴァントの魂が帰る事は無い。なら…
「ここに居るので全部かしら?」
「いや、一部のようだ。奴らはまだまだ分裂するサーヴァントだろう」
イリヤの呟きに答える。
「そう。なら、チャンピオン。残らず殺して構わないわ。やっちゃって、チャンピオン」
「む?そな
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