第九十四話
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ものだもの」
凛は力強く宣言した。
「あの世界の桜はどうするんだ?」
「…それはあの世界にいる人でどうにかして貰う他無いわね。万が一帰れたのなら、その時考えるわ。でもそれはこの世界の桜に出来る事を全て終わってからね。そうでしょう、チャンピオン」
あらら、逆に釘を刺されちゃった。
「だから、力を貸してください。桜を助け出すにはやはり私では力不足なの…サーヴァントの力が必要不可欠なのよ」
「イリヤ?」
どうする?と、問う。
「いいわ。凛の頼みを聞いてあげて。その代わり、凛も私の頼みを一回聞く事。それが今回の対価って事にしておいてあげるわ」
「…ありがとう」
深夜の間桐邸。
「魔術師の工房を攻めるのって難しいのだろう?」
「ええ、そうね」
「何か作戦が有るのか?」
思い立ったら即行動と凛はその日の内に俺達と連れ立って間桐邸へとやってきていた。
「まさか凛ってばノープランだったの?」
イリヤが呆れていた。
「うるさいっ!ちゃんと考えているわよ。こっちには対魔力Aのチャンピオンが居るのだもの、ガーっと行ってバッと助けちゃえばいいのよ」
「つまりは全部チャンピオンに任せるってことね。リンって本当に役立たずなのね」
「う、うるさいわね。イリヤスフィールなら何か出来るって言うの?」
「わたしにはチャンピオンが居るもの。障害は全てチャンピオンが粉砕するわ」
「変わらないじゃないのっ!」
「違うわ、チャンピオンを現界させているのはわたしの魔力だもの。わたしはしっかりと働いているわ」
「コントはいいよ。魔術結界が張られているようだけれど、まぁ何とかなるだろう」
右手にソルを握り締め、シルバーアーム・ザ・リッパーを行使する。
一瞬で銀色に染まる腕。振り上げたソルを振り下ろすと、パキンと音を立てて間桐邸の結界が破壊された。
「古い家系の結界がただの一撃とはね…さすがにチャンピオンは桁が違うか…」
凛がなんか納得がいかないような表情をしているけれど、今はいいか。
「後はアテナに任せる。彼女が一番適任だから、変わるよ」
「アテナ?それもあなたの分霊のひとりね」
「まあね」
凛の呟きに答えた俺の体は縮み、銀色の髪の少女へと変じた。
◇
チャンピオンがこの間みせた銀の腕…彼が言うにはヌアダの光り輝く腕だが、その何ものをも切裂く能力で間桐の屋敷に施されていた結界は一刀の元いとも簡単に断ち切られた。
幾らサーヴァントとは言え、これだけ便利な能力を持っているサーヴァントは居まい。いや、そもそもこのチャンピオンはサーヴァントの括りを越えている。
そもそもサーヴァントは劣化した英霊の分身なの
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