第九十四話
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「俺は王様と言う仕事をしていただけで、王と言うものの矜持が有る訳じゃないんだけど」
「ほう、仕事とな」
どういう事だとライダーは問う。
「そう、仕事。この身一つで国を興し、支配していたわけじゃなくて、後年の王国がそうであるように王の子であると言う立場に生まれたからの王だった。王子であった俺は税金と言う平民達が自分達の未来を託す投資で育ててもらった。だから俺は投資された分を国民に返していたに過ぎない。だから俺は会社の社長のようではあったが、ライダーやアーチャーのような王ではなかったな」
強烈な我でもって国民を引っ張ってゆく輝きは俺には無かったものだろう。
「それでもあなたは戦争に勝ち続け、国民を守ったわ。そう言う意味ではあなたはちゃんと英雄よ」
イリヤが盗み見た俺の過去から肯定する。
「あなたは最後まで国を守ったのですね…」
セイバーが呟く。
「いや、俺の場合最後は土地を捨てて国民全てを連れて逃げたからな。国を守ったかと言われればNOと言わざるを得ない。だけど国民を守ったかと言われれば守れたと信じたい。逃げた先の土地を開拓し、落ち着いたら最後は大統領制に変更させてトンズラしたけど」
「は?王としての責務を投げ出したと言うのですかっ!あなたはっ」
「戦争に勝ち続け、国民を連れて逃げはしたが国民の生活基盤を作り直したんだ。彼らの投資分は全て返し終えたと思っている」
「最後まで自分の手で守ろうとは思わなかったのですか?」
「王が居なくても国が動くシステムを作ったのだから、後は国民に任せただけだ」
「それを無責任と言っているのです」
「よせセイバーよ。あやつ自身も王とは言って無いのだ。あれはただの小間使いよ」
「なるほど、確かにチャンピオンは王と言うより社長だのう。会社を運営する社長と言う立場が王だったという特殊なタイプよな。まぁ余に言わせるなら王としちゃなっとらんと言えるが」
なんかギルガメッシュとライダーに散々な事を言われたような気がするのだが…しかし合ってるけど小間使いは酷くない?
人の事を肴に更に問答が進もうかと言う時、この中庭を囲むように黒いサーヴァントが取り囲んだ。
「あら、アサシンね」
「ちょっと、何をそんなに悠然としているのよっ!何この数は…十や二十と言う数じゃないわ」
「ひぃ…」
イリヤは悠然と構え、アイリスフィールは驚いている。ウェイバーは机の下に隠れるように身を縮ませた。
ライダーは自身が買ってきた酒樽に柄杓を突っ込みワインをくみ上げると高々と持ち上げて歓迎すると宣言したが、それへの返答は一本の短剣だった。
短剣は柄杓の柄を切り飛ばし、柄杓の中身をこぼしてしまった。
酒宴を汚され
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