第九十四話
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うにライダーは俺達に聞いた。
「俺達は今回の聖杯戦争の参加者では無い。確かにサーヴァントとマスターの関係ではあるが、俺達は特に聖杯を求めていない」
俺はそう答えた。
「参加者じゃないのか?」
「違うわ」
イリヤもきっぱりと否定する。
「ええっ!?サーヴァントとマスターのくせに聖杯戦争とは無関係だって?そんなはずは無いだろうっ」
「本人達がこう言っているのだから良いではないか、坊主。それに余らの前に敵として立ちふさがるのなら蹴散らしてやれば良いだけだ」
「ら・い・だ〜っ!」
何だろう、この主従、サーヴァントの方が立場が上じゃないか?
八組目をいぶかしむマスターの方が正しくて、気にしないサーヴァントの方が確かにおかしい。
とは言え、力関係がライダーの方が上なのでライダーのマスターも強くは言えない、と。
そうこうしている間もライダーは手綱を操り、すでに戦車は発車していた。
「〜〜〜〜〜〜っ」
顔を真っ赤にして真剣に令呪を使おうか迷うウェイバーだが、流石にそれは理性が押し止めたようだ。
暗闇の排水溝をライダーの戦車で走破する。途中グロテスクなナニカを蹴散らしながら奥へ。
「それにしても、凄いわね。衝撃も風圧も何も無いなんて。さすが宝具って事なのかしら」
独り言のように呟くイリヤ。しかし、それには俺も同感だ。これは戦車であって戦車ではない。
宝具。その言葉の意味を再確認した瞬間だった。
「それに、ここは本当にキャスターの工房なの?それにしては守りは杜撰だわ」
「それは僕も思っている。魔術師の工房攻めがこんなに簡単なはずはないんだ」
イリヤの声にライダーのマスター…ウェイバーが答えた。
「確かにこんなに簡単なはずは無いだろう。キャスターには陣地作成スキルが与えられる。それこそ堅牢な神殿すら作れるほどのスキルをもつ者が呼ばれる事もあるだろう。…しかし、これは」
「まぁそれも最後まで行ってみれば分かる事よ」
と俺の呟きに返したライダーは手綱を捌き排水溝の更に奥へと戦車を走らせた。
小さめのホールのような所へと出ると、そこがどうやら終着のようだった。
キャスターは不在のようだったが、此処が拠点である事は確かだろう。…俺の眼で見たそこには凄惨なナニカがオブジェのように飾られていたのだから。
やはりこんなに簡単に工房を攻められた事にウェイバーはキャスターが本来の意味での魔術師ではなく、キャスターの伝承に悪魔を呼んだとか魔術書を持っていたとかと言う伝承が一人歩きした結果であり本人は魔術師でもなんでもなかったのではないかと辺りをつけたようだ。
こう言う分析は頭でっかちっぽい彼には向いているのかもしれないが、こ
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