第10話 「あえて言おう。ショタであると」
[3/4]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
ぶてしさを身につけるはずじゃ」
高笑いをするじじい。
おのれー。ってあれ? いま、わたし、やばい事に気づいちゃった。
「なんでー。リヒテンラーデ候が、皇太子殿下のご幼少の頃の写真を持ってるの?」
ま、まずい。私、消されちゃうのかしら……。
「な、なにを言うかっ、陛下に命じられて写真を撮ったのは、わしじゃ。予備ぐらいは、持っておるわ」
顔を真っ赤にしても、説得力ないぞー。
ハッ。そうか、そうだったのか……。
「リヒテンラーデ候、貴方も同士だったのですね」
「ち、違う。わしは、正常じゃ。まともじゃ」
エリザベートがもう、何も言わなくていい。とでも言いたげに、リヒテンラーデ候を見つめました。自分に正直になった方が楽になれます、よ。
「ラインハルト派ですか? それともジーク?」
「どちらかというと、ジークかのう」
「語るに落ちるというお言葉は、ご存知?」
「おのれ、謀ったな。エリザベート」
「いえいえ、とんでもない。同士リヒテンラーデ候」
貴方は良い上司だったが、貴方の性癖がいけないのだよ。
■宰相府 ラウンジ アンネローゼ・フォン・ミューゼル■
「あいつらって……」
席に着くと、皇太子殿下は疲れたように、ぼそっと仰いました。
同僚の性癖に、わたしも疲れてしまいます。
わたしは正常ですよ。皇太子殿下。
「そうであって欲しいよ」
「はい」
「ラインハルトたちは、しばらく呼ばない方がいいかもな」
「そうですね〜」
ふふふ。ラインハルトには、悪いけれど、しばらく皇太子殿下は独り占めね。
計画通り。ふふふふふふふ。
「あれ?」
「どうかしましたか?」
「いや、なにか寒気が、な」
「それはいけません。今日のところはゆっくりと、おやすみになるべきです」
「そうだな。明日は軍関係に、激励に行かなきゃいかんしな」
「ええ」
■オーディン 幼年学校 ジークフリード・キルヒアイス■
ラインハルト様の背中が、ゾクッとしたように、震えました。
どうしたのでしょうか?
なにやら辺りを見回しています。
「キルヒアイス。ばかばかしいと思うが、嫌な予感というものを、感じたのだが……」
「また、皇太子殿下が悪巧みをしているのでは?」
「そうかもしれない。あれさえなければ、いい奴なんだが……」
「ラインハルト様は、皇太子殿下の事、お嫌いですか?」
「い、いや。嫌いではないぞ。嫌いでは……」
どうしたのだろう。どことなく顔が赤いのですが……。
「そういうキルヒアイスはどうなのだ?」
「私は皇太子殿下の事を尊敬していますよ。問題から逃げずに、立ち向かっておりますし。帝国の事を真剣に考えているのは、皇太子
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ