暁 〜小説投稿サイト〜
プリテンダー千雨
桜通りの吸血鬼編
第五話
[2/8]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
作った張本人達だったからあまり快く思っていなかったが、彼らもまた苦労があるのだな。
そう思った時だった。森の一角で他とは比べ物にならない程の火柱が上がったのは。

「何だあれは!」

私は直様機首をそちらへ向けて急行した。すると、そこには・・・鋭い牙を備えた裂けた口を持ち、尾の先にハンマーの着いた手足の生えた魚のようなロボットが居た。

「あれは“シャークトロン”!と言う事はクインテッサか!!」

シャークトロンはクインテッサ星人が自身の手下として生み出したロボットだ。知能は低く、その代わり数による戦いを行う。我々サイバトロンにとっては雑魚だが、人間達にとっては大きな驚異だろう。現に、人間達の放つ魔法は全て奴らの装甲に弾かれてしまっている。
クインテッサが関わっているのなら無視出来ないな。

「トランスフォーム!!」

私はロボットモードに変形し、両手に持ったジェットライフルを発射する。それでまず二匹を仕留めた。だが、それで向こうもこちらに気付いたようで、ロボットモードにトランスフォームして銃を撃って来る。

「さあ、こっちだ!」

私は応戦しつつもシャークトロン達を市街地とは逆方向へと誘導した。




《千雨Side》

父さんに言われた通り、私は寮まで戻って来た。もちろん人間の姿でだぞ?でも、そこで私が見たのは・・・寮から飛び出して行く神楽坂の姿だった。
こんな時に何やってんだよ!デストロンかクインテッサが来てるかもしれないんだぞ!!
私は慌てて神楽坂を追った。




暫く走り、やっと神楽坂に追いつくと、そこは麻帆良と外を繋ぐ道の一つ“麻帆良大橋”だった。そこで神楽坂は何故か絡繰と戦っていた。その上空では先生とマクダウェルが魔法の撃ち合いをしている。多分、今日決着をつける気なんだな。

「ラス・テル・マ・スキル・マギステル 来たれ雷精 風の精?」

「リク・ラク・ラ・ラック・ライラック 来たれ氷精 闇の精?」

二人は向き合って互いに呪文を唱える。

「雷の暴風!!!」

「闇の吹雪!!!」

そして、先生は雷を纏った竜巻を、マクダウェルは吹雪を纏った黒い砲撃を放った。二つは互いにぶつかり合い、最初は互角なように見えたが・・・しだいにマクダウェルの方がお仕事始めた。よく見ると先生が持っている杖はいつも使っている馬鹿でかい奴じゃなくて、先端に星の飾りのついたタクトみたいな奴だった。それ以外にも年季の差とかもあって押し負けているんだろう。
それでも、先生は諦めていない様子だ。でも、あの小さな杖であんな魔法を撃つのは無理があったのか、杖にはヒビが入り始める。そして、その細かい破片が先生の鼻を刺激して・・・

「ハックション?」

くしゃみが出た。すると
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2025 肥前のポチ