暁 〜小説投稿サイト〜
Black Engel and White Engels
ガニメデ行政府編
第1章
「|開戦計画《Plan of attack》」
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ければ生むのをコントロールしなさい。日本は少子高齢化ですが、そこまでして虐待される子供たちを欲してはいません。そんなことで子供たちが死んでいっては、国家として、いえ人間としての尊厳に関わります。我々はルーマニアのチャウシェスク出ないのです。」

ここまで私は早口でまくし立てた。少し、興奮してしまったか?
「あなたがなんで自殺を図ったかは聞かないでおきましょう。聞いたところで、すでに死んでいるあなたには関係ないことです。」
「はい・・・」
この少女は私のあまりの迫力に圧倒されているらしい。小声に拍車がかかった。
「しかしまぁ、」
私は紅茶に口をつけた。
「あなたのご両親はあなたのことを愛していたのでしょう。そうでなければ、ここまで優しい人には育っていませんよ。なにせここは“無”の空間。あなたの考えていることや感じていることは私にもわかります。」
そう優しく話すと、彼女は泣き出した。

「ごめんなさい。ごめんなさい・・・・パパやママに会いたい。会いたいよ・・・」
ここで初めて、自分の気持ちに気づいたらしい。なかなか難しいことだ。
確かに私も両親に会いたいが・・・

「で、私にどうしろと?」
私は神に向き直ってそう尋ねた。
「その世界には彼女も転生させる。その時、彼女を導いて欲しい。」
「なるほど。つまり私に彼女にとってのいいお兄さん、いやこの歳でははやおじさんですか。良きおじさんでいましょう。」
そう言って、私は彼女の頭に手をやって、撫でた。
「ごめんね。ひどいことを言って。あなたの名前は?」
「久瀬絵里です・・・」

消え掛かりそうな声で彼女は自分の名前を言った。どうも彼女の性格は優しいものの、引っ込み思案で大人しいようだ。外見はそう・・・赤いセルでできたアンダーリムのメガネをかけていて。髪はロングのストレート。体型は標準型か。もう少し自分が若ければ好みだったのだが・・・
「転生したらよろしくね。」
私がそう言うと、泣き止んだ彼女は私に向かって微笑みながらこう言った。
「よろしくお願いします。」

「で、転生する世界についてのバックグラウンドが何かあれば聞きたいのですが。」
私はそう再び神に向かって振り向くと、神は別のファイルを差し出した。
同じようにペラペラとファイルをめくった私は再び絶句した。

「1944年10月にレイテ湾に栗田艦隊が突入。マッカーサー戦死。その結果、硫黄島並びに沖縄攻略戦が3ヶ月遅れた。そのため、45年8月にソ連軍が樺太南部及び北海道北部に侵攻。留萌−釧路の線で停戦となり、旭川は分断都市となる。原爆は函館と旭川で炸裂。
その後祖国統一を求めて50年6月に朝鮮半島及び北海道で戦争勃発。状況にあまり変化なく53年に停戦。以降、状況は膠着状態となる。日本国(我が国)は経済大国
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