桜通りの吸血鬼編
第四話
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「お願いします。」
私はVITOL機のように滞空しながらゆっくりと木に近付いてキャノピーを開けた。そして先生は腕を伸ばして杖を掴む。
「やった!取れました!!」
大事な物を取り戻した先生は無邪気に喜び、その上に跨った。
「ありがとうございます、レインさん。このお礼は必ずします。」
「ああ。ではまた会おう、ネギ君。」
そして、私は先生の元から飛び去って行った。やれやれ、柄にも無い事のオンパレードだったな、今日は。やっぱり、私もサイバトロンって事か。
翌日。朝のホームルームで先生は前みたいにビクビクせず、むしろ堂々と入ってきた。
「おはようございます!エヴァンジェリンさんは居ますか!!」
さらに、開口一番にマクダウェルを指名ときたモンだ。どうも覚悟を決めてきたみてえだな。でもまあ・・・今日はマクダウェルは来て無いから空回りもいいトコなんだよな。とりあえず、教えとくか。
「マクダウェルなら風邪で休みだぞ。絡繰は看病のために一緒に休むんだそうだ。」
これは絡繰にメールで聞いて知った。最近アドレスを交換したからこれ以外にもよくメールのやり取りをしている。
って、あ。先生が教室を飛び出して言った。まあ、吸血鬼が風邪で休みとか信じられないよな。でも事実だそうだ。これも呪いによる弱体化の影響らしい。
え?見舞いに行かないのかって?絡繰が一緒なら大丈夫だろ。それに指名手配の件も15年前に取り消されてるって話だし、それを今の状況と照らし合わせると、今のマクダウェルは服役中みたいな状況って事だな。確かに私は正義のトランスフォーマー、サイバトロンだけど既に捕まった犯罪者をどうこうしようとは思わないからな。
続く
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