桜通りの吸血鬼編
第二話
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テンダーだと言う話だ。
「ひょっとしたら、今日その謎が解けるかもしれない。」
そう言いながら、父さんは私の隣で歩を進めた。
マクダウェルの家は森の中にあるログハウスだった。吸血鬼なので古い洋館にでも住んでいるのだろうと思っていたが、大分イメージが違う。
「気を付けろ、千雨。どんな罠が仕掛けられているか分からない。」
そう言って父さんは警戒しながら玄関に近づくと、ドアをノックした。
「どうぞ。」
すると、中から声がした。多分、絡繰の声だと思う。父さんは私を後ろに庇うようにしながら、ゆっくりと扉を開けた。そこに居たのは・・・
「ようこそいらしゃいました。」
メイド服を着た絡繰だった。って!何でメイド服!?
「マスターがお待ちしております。こちらへどうぞ。」
私が心中でツッコミを繰り広げている中、絡繰は相変わらずの無表情で私と父さんをある部屋に案内した。そこに居たのは・・・
「よく来たな、長谷川千雨。」
当然、この家の主であるマクダウェルだった。マクダウェルは私を見ながらそう言うと、今度は父さんへと視線を映す。
「ん?そいつは確か貴様の父親だったな。」
マクダウェルが父さんを知っているのは前に授業参観に来たからだ。
「父親を連れて来るとは、流石は3-Aの“二大ファザコン”の一人と言った所か。」
「ちょっと待て!何だよそれ初耳だぞ!!」
「ん?何だ知らなかったのか?少なくとも3-Aの中では有名だぞ。」
はあ!?何だよそれ!!これってつまり私が中三にもなって“将来はお父さんと結婚する”とか言ってる明石と同類って思われてるって事か!?
「ふざけんな!私は明石ほど酷くはねえぞ!!!」
「ほお。つまり、明石祐奈ほどでは無いにしろ、ファザコンである事は認めるのだな?」
「そ、それは・・・」
マクダウェルの一言に私は言葉を詰まらせる。
だって仕方ないじゃないか!周りが色々とおかしい麻帆良の中で唯一の理解者だったんだから!!
「うおほんっ!それで、本題に入りたいんだが。」
すると、父さんが咳払いして話を戻そうとした。その顔が少し嬉しそうなのは多分気のせいじゃないと思うが、言わないでおこう。
「ああ、そうだな。では、教えてもらうぞ、貴様らの正体を。」
「分かった。だが、その代わりに君の…そして麻帆良の秘密を教えてもらいたい。」
「ふっ、いいだろう。」
父さんがそう言うと、マクダウェルはあっさりと了承した。
《エヴァSide》
互いに向かい合い席に座った二人、長谷川小鷹、千雨親子…正確には長谷川小鷹の話を聞いて驚愕した。奴は宇宙から来た機械生命体、つまり生きたロボットで今は人
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