第3話 北米の風
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んな。これはあたしとこいつの戦いだ。」
「戦い?何を言っている星矢。これは私による指導だ。」
「へっ、言ってくれるじゃねえか。」
まさに一触即発。いつの間にか周囲にはギャラリーが集まり、もはやれいには止める事は出来ない。だが、その時・・・
「随分騒がしいな。」
誰かが声をかけてきた。その声を聞いて当事者である三人はもちろん、周囲の生徒も震え上がる。そして、恐る恐る声のした方を見ると・・・そこには一人の女性教師がいた。スーツをピシッと着こなし、逆三角形の細いメガネをしたいかにも厳しそうな教師だ。
「き、“鬼神”・・・」
三人のうち誰かが思わず呟いた。
彼女の名は“鬼塚神楽”。通称“鬼神”。れいの担任教師で、星矢と芽衣の所属する剣道部の顧問でもある。
「随分な挨拶だな。」
「い、いえ!今のはその・・・」
威圧感を放ちながら言ってくる“鬼神”にれいは必死に言い訳をしようとするが、中々言葉が出ない。
「まあいい。だがそれより・・・高杉。」
「な、何でしょうか!!」
ドスの効いた低い声で呼ばれ、星矢は直立不動となる。
「私はお前に竹刀を喧嘩に使うよう教えたハズなど無かったが?」
「そ、そうでしたっけ?あははは・・・」
必死で誤魔化そうとする星矢。だが、その態度はむしろ逆効果であり・・・
「そうか・・・なら、部活でみっちりしごいて教えてやろう。今日はサボるんじゃないぞ。」
「はい・・・」
事実上の死刑宣告が成され、星矢は真っ白になった。
だが、それだけでは終わらず“鬼神”の鋭い視線は今度は芽衣の方に向いた。
「それと桜小路。校内の騒ぎを鎮める風紀委員が騒ぎを大きくしてどうする。」
そう言うと“鬼神”は辺りを見渡す。芽衣もそこで周りにギャラリーが集まっている事に気付いた。
「で、ですが。大元の原因は風紀を乱した星矢で・・・」
「責任転嫁するのか?」
芽衣の方も言い訳をするが、鋭い視線とともに放たれた言葉によって黙殺される。
「この件は風紀委員会に報告しておく。委員長といえど罰は逃れられんぞ。」
「・・・分かりました。」
そして、芽衣は自分が悪いと潔く認めたのであった。
「お前らもとっとと教室に戻れ!次の授業が始まるぞ!!」
最後に“鬼神”は周りの生徒達にそう呼びかける。彼らはそれに従い、教室へと戻って行くのであった。
放課後。
生徒の大半が部活に精を出している時間。れいもまた自分の所属する弓道部へと向かおうとしていたが・・・
「れい、頼むよ!見に来るだけでいいからさ!!」
“鬼神”のしごきを恐れる星矢に捕まっていた。
「一人で道場に行くのは心細いんだ!だから頼
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