暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのは 〜優しき仮面をつけし破壊者〜
A's編 その想いを力に変えて
32話:鍋を囲もう in 八神家
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「っ!?」

知らんぷりを貫くつもりでいたが、さすがに仮面の男の言葉には表情を変えざるおえなかった。それを見てか、仮面の男も、フッと鼻で笑ってきた。

「もう一度言う。これ以上彼等に近づくな」
「ふざけんな。てめぇみたいな奴の言う事を素直に聞く程、俺は馬鹿じゃない」

俺は奴を睨んでそういうが、奴はそんなもの気にならないと言わんばかりに構えている。というか動きを見せない。

「…時を待て、そうすれば全てが解決する」
「っ、おい待て…!」

俺が止めようと手を伸ばし、足を動かそうとした時には、奴は光に包まれ消えてしまった。
それに伴い結界も消え、世界は元通りになる。

「………」
[マスター…]
「…だぁ〜、くそっ!!」

訳わかんねぇ!なんでアイツが出てきたんだ!?何の為に!?それに何で俺がディケイドだって知ってんだ!?アイツには直接会うのは初めての筈だし……あ〜!!考えても訳わかんねぇまんまだ!!

「あ〜、いらつく…」

そこら辺に転がっていた空き缶を蹴飛ばし、取りあえずこのイライラを少し解消する。

だが、やはりわからない事はわからない。色々な事が絡み合い過ぎて、どれが本当の事なのかわかんなくなってきた。
実際、クロノが言っていた闇の書に関する事も、考えてみれば本当の事だとは言えない訳だ。

「……まだ、話すべきじゃないな」

少なくとも、八神達のことは今じゃない気がする。今話しても、何も解決しないような……もっと深い何かが止まらないような、そんな気がする。

「―――だぁぁ!!今は一旦考えるのは止めだ!帰って寝るべし!!」

またも頭を掻きながら叫び、少しでもイライラを解消する。いや、実際は解消まではいっていないが……

俺はそのまま、何とも言えない感情を抱え込みながら、高町家への帰路へと立った。

 
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