暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのは 〜優しき仮面をつけし破壊者〜
A's編 その想いを力に変えて
32話:鍋を囲もう in 八神家
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が……

「………」
「あ、あれ…?」

今度は顔を俯かせています。というか、少し震えてる?

「…え、えっと……」
「…こん……けねぇ…」

え?と返すと、ヴィータは顔を勢いよく上げて、ビシッと指差す。

「今度は負けねぇかんな!ぜってぇだ!!」

…………あ、そういうこと。

「トランプのことか…」
「そうだ!負けっぱなしは嫌いだからな!」
「…あぁ、勿論だ。いつでも相手になるぜ。今度あったらやろうな」

笑みを浮べてそういうと、ヴィータは少し顔を赤くしてまた俯いてしまった。

「ま、そういう事だから、また来るわ」
「あはは、そうみたいやな…じゃあ、また今度やな」

玄関前にはやてにそう言うと、はやては笑顔を見せてくれた。

「じゃ、またな」
「ほな、また」


















八神家を出て数十メートル。後数週間後にはクリスマス、もっと言えば冬本番の季節になる今日。さすがに厚手のコートが使いたくなるこの時期の夜の道を、今俺は歩いている。

「にしてもあの鍋は旨かったな…」

テーブルの中央に置かれた鍋に、それぞれが思い思いに箸を伸ばし、煮え立つ具材を取っていく。時には譲り合い、時には奪い合い、和気あいあいと鍋を食した。

「…だけど、やっぱりこのまま戦うとなると……」

彼等を倒さなければならない。だが、彼等はただ命令されてやっている訳じゃない。彼等が言ったように、自分から行動している。ただ倒すだけじゃ、何も解決しない。

「……あぁ〜!!どうすりゃいいんだよ!!」

道ばただというのに、俺は立ち止まって頭を思いっきりかきながら叫ぶ。幸い周りには人気はないし、迷惑にはなっていない筈だ。
そもそも、彼等は何で戦っている。命令されているんじゃなかったら、何が目的なんだ。何の為に、こんな……

「―――っ!?」

そのときだった。急に俺の周りの色が変化し、雰囲気が変わる。これは……!

[マスター!]
[わかってる…結界だ…]

その場で身構え、周囲に意識を集中させ、何かに備える。
すると前方に光が現れ、集束していく。一瞬眩しいぐらい光ったと思ったら、そこには人影があった。足下には魔法陣がある。

「お、お前は…」

その人物は、白い服に不気味な仮面、その上から見える青髪。
間違いない、クロノが言ってた仮面の男だ。

「―――警告だ。これ以上、彼等に近づくな」

その男が突然仮面の奥から口を開き、言葉を放ってきた。

「ほんといきなりなんですけど、どちら様ですか?俺はあなたのような人物との面識はないと思うんですけど…」
「しらを切っても無駄だ、門寺士―――いや、ディケイドと呼ぶべきか
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