第1話 勇者復活
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だが、直ぐにその笑みには狂気が現れた。
「生きるという不幸から私たちが救済してあげないといけないわ。でも、そのためには邪魔な存在を何とかしないと。」
キャンデロロは“この宇宙”で手に入れた情報を思い出していた。
かつて、生命のある星々を荒らし回っていたオーボス軍。それがこの惑星で壊滅した。それだけの物がこの惑星にはあるのだろう。
「さあ、リチェルカさん。貴方の出番よ。」
キャンデロロがそう命じると、艦首の銃口から何かが発射された。それは、真っ直ぐに地球へと向かって行く。
《地球防衛機構軍オーストラリア本部・衛星軌道監視室》
地球防衛機構軍。
地球の平和を守るために組織された軍隊だ。数十年前、“オーボス軍”という宇宙からの侵略者との戦いを経験した彼らは、再度の宇宙から侵略者に対抗すべく、地球の衛星軌道上に監視網を敷いていた。そして、数十年という時を経て再び地球へと脅威が迫る。
「軌道上に宇宙船らしき物体が現れました!!」
「そうか。」
オペレーターが報告を行うが、ここの司令官らしき人物は慌てる事なく冷静な対応をする。
「まだオーボス軍のような敵とは限らない。友好的な宇宙人かもしれんから、調査するよう空軍に通達しろ。」
「はっ!」
監視室からの知らせを受け、空軍から2機の戦闘機がスクランブル発進した。戦闘機はそのまま飛行物体と接触する。黄色い円盤状の機体だった。
「そこの飛行物体!こちらの誘導に従い着陸しなさい!!」
直ぐにパイロットは飛行物体へ警告を行った。そして、その答えは・・・ロボットへと変形する事だった。
「何!?」
パイロットが驚いている隙に、ロボットは左腕のウエポンラックから右手で拳銃を取り出す。そして、銃を構え妖しく光る単眼で戦闘機のうち1機に狙いを定めると引き金を引いた。銃口からは実体弾ではなくビームが発射され、容赦無く機体を撃ち抜く。
「司令室!飛行物体はロボットへ変形し我々に敵対行動を取った!!これより攻撃する!!」
それを見たもう1機は基地へ通信で報告し、ロボットをミサイルを発射する。だが、効果は無く逆に先程の機体と同じように撃墜されてしまった。
緑が浜。
綺麗な海があるのと新幹線の線路が通っているのを除けば何処にでもある普通の町だ。
「れい!早くしないと遅刻するぞ!!」
一人の少女がとある家の扉をノックしていた。緑がかった黒髪と尖った耳が特徴だ。彼女は“桜小路芽衣”。ワイルダー星人と地球人のハーフである。
芽衣は今、幼馴染の“黒騎れい”の家の前で彼女を待っていた。
「ごめん、お待たせ。」
すると、れいは学校の制服であるセーラー服姿で出て来た。
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