第二部 文化祭
第24話 襲撃
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きっと、もう二度とこいつが襲撃してくることはないだろう。
「……学園を通して警察呼ぶけど、いいよな」
男子生徒はこくこくと頷くと、おとなしくついてきた。
──まったく。
俺は安堵と呆れの、深い溜め息を吐いた。
*
「──キリト君ッ!」
アスナが俺に抱きついてくる。
「ごめんね、キリト君……わたしのせいで、こんなに……こんなに傷ついて……」
アスナの目尻には涙が浮かんでいた。
俺はそれを指で拭き取ると、微笑みながら言う。
「アスナはなにも悪くないよ。……それに、傷ついてるのはアスナの方だろ」
「え……?」
アスナはきょとんと首を傾げる。
「……お願いだから、泣いたりしないでくれ」
俺はアスナの頭に片手を置いた。
「アスナには、いつも笑っててほしいから」
「キリト君……」
アスナは天使のような笑みを浮かべると、俺の襟首を掴んだ。
「……心配、させないでよね」
アスナが言う。
「わたしが一生君を守るよ。君が危なくなったら、いつでも助けに行く」
その言葉は、まるで──。
「……じゃあ、俺はアスナを守るよ」
『守る』。俺はかつて、誰のことをそう誓った気がする。
絶対に守り抜くと決めたのに、呆気なく俺の前から消え去った少女。
あれは──誰だったのだろうか。
「……ありがとう、キリト君」
そう言ってアスナは微笑んだ。
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