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【IS】何もかも間違ってるかもしれないインフィニット・ストラトス
役者は踊る
第四十幕 「意地と意気地の二重奏」
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式が瞬時加速でこちらに突き進む。風花が噴射加速を使ってあちらから向ってくる。
「うおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!」
「はあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
その勝敗を分けたのは―――皮肉にも技量ではなく情報だった。
「・・・間合いに入ったな!!」
「何!?」
実際にはまだ弐型の間合いに入っていないにもかかわらず不敵に微笑んだ一夏に、ユウは咄嗟に離れようとスラスターを吹かした。だが噴射加速の勢いを止めるには至らない。結果として、ユウはその“間合い”から逃れられなかった。
「刀身形成・・・伸びろ、雪片ぁ!!」
「これは・・・エネルギー刃が!?」
雪片弐型は“零落白夜”を発動させると剣の中央部の装甲が展開し、中から“零落白夜”で構成されたエネルギー刃が姿を現す仕組みになっている。そのエネルギー刃が、突然爆発的に大型化した。刀身は10メートルに達しようとしているそれは、もう刀とは呼べない。滞留する莫大なエネルギーが白式の身体をさらに眩く照らす。
巨大な刃と化した弐型を腰だめに構えた一夏は、それを躊躇無く解き放った。それと同時に恐るべき速度でシールドエネルギーが減少していくが、もはやこの距離で失敗はあり得ない。
「薙ぎ・・・払えぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!」
全ての障害を両断せんとする刃が横一線に振るわれる。拳でもバリアでも防御不可能、そして回避も不可能。全てのシールドエネルギーを根こそぎ奪う実体無き刃は空を疾り、風花の目の前まで迫る。
「う・・・ッおおおおおおおおおお!!?」
「俺の・・・勝ちだッ!!」
逃れるすべは既になく、空を走る一撃必殺の刃は―――見事、風花を捉えて見せた。
同時に風花が自身のシールドエネルギーを全て失ったことを告げる。
『試合終了―! 勝者!織斑一夏でーす!!』
審判である佐藤さんの一声にて、この戦いは決着した。
これが、記録に残る初の男性操縦者同士の試合記録となる。訓練試合であるがゆえに詳細な情報は残らなかったが、後にこの二人は幾度となく激突することとなる。
〜
「今回は一夏の奴に軍配が上がったか・・・最後の最後に読み間違えたな、ユウ」
「あれは、普通読めない」
簪は思わずジョウの言葉に口を挟んだ。あそこに至って急に刀身が伸びるなどと予測できる人間などいないだろう。少なくとも簪には完全に予想外だった。だがジョウは人差し指を立て、ちっちっちっ、と左右に振る。
「そこを読んでこその強者だよ、簪ちゃん?ちゃんと次の手を予測できる前兆はあったしね。それにユウはこの試合で一度もお得意のショートレンジに戦いを持ち込めなかった。結果的に惜しい試合にはなったが、その辺りは間違いなく反省すべき点だ」
「・・・なるほど」
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