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【IS】何もかも間違ってるかもしれないインフィニット・ストラトス
役者は踊る
第三九幕 「モノクロームは空を舞う」
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刃と刃を交える。
「妙だな・・・」
「何が妙なのだ、篠ノ之?」
ユウの攻める様子を見ていた箒がぽつりと漏らした言葉にラウラが首をかしげる。
「ユウは剣術の心得も一応はあるようだが、本懐は拳を使った格闘技だ。しかも一夏は少々腕が鈍っているとはいえ生粋の剣士。純粋な剣術で一夏に打ち勝つのは難しいはずだ」
「ですがユウさんもそれは分かっているはず・・・何か策があるのでしょうか?」
「・・・あるな」
突然口を開いたのは兄であるジョウ。周囲の視線がジョウに集中する中、二人の戦いに瞬き一つせず見つめながら声だけを飛ばす。その場の全員が自然とジョウの方に注目する。
「あの武器・・・爪月には普通の剣にはない特徴がある。あれには柄の長さを伸ばす機構が存在するんだ」
「それと、ユウの戦法に・・・どういう関係が?」
「まぁ見てりゃ分かるさ。唯一つだけ言えるとしたら・・・まともな使い方じゃないってことかな?」
そう呟くジョウの目線の先で、一夏が反撃に入っていた。
まだ二刀流を完全にものに出来ていない一夏は弐型を量子化し、参型と機体の旋回性を活かしたスピード戦法へと切り替えていた。また一太刀、風花の装甲に傷が増える。
「ッ〜〜!いやらしい戦法を・・・!」
「いくらスラスターを増設したって風花が空で鈍いのは変わらない!ならそれに合わせるさ!!」
ヒット&アウェイを繰り返しながら少しずつ風花にダメージを与える。焦って正面からぶつかれば先ほどの様に粒子砲を食らったり“投桃報李”で弾き飛ばされてしまう。だから、徹底的にリスクを減らす戦法に出る。
調子に乗りやすい一夏が勝利への渇望ゆえに身に着けた強い忍耐力。それが功を奏して風花は確実にエネルギーを減らしていく。
そして遂に隙を突いた一夏の剣がユウの剣を弾く。
が、次の瞬間に起きた出来事に一同の思考は一瞬停止した。
がっきぃぃぃぃぃん!!ひゅんひゅんひゅん・・・・
「え・・・えぇぇぇ!?」
「あらまぁ、ポッキリ」
その一撃で爪月の“刃部分のみ”が“柄から切り離されて”宙を舞った。
高い強度を誇るはずの刀に起きた大惨事に『整備不良』の4文字が頭をよぎる。(会場の一部からぼそりと「これだから中国製なんだよ・・・」と聞こえた様な気がするが奇跡的に鈴の耳には入らなかったようだ)・・・が、その油断が一夏の命取りになった。
「“投桃報李”展開!てぇぇい!!」
その手に握られていたのは爪月の柄・・・を2メートル近くにまでギミックで伸ばした“棒”だった。まるで初めからそうする気だったかのように棒にバリアを纏わせたユウはそのまま白式の胸に突きを叩き込んだ。
装甲の存在しない胸部への攻撃に絶対防御が発動し、衝撃に一夏の息が
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