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【IS】何もかも間違ってるかもしれないインフィニット・ストラトス
役者は踊る
第三九幕 「モノクロームは空を舞う」
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噴射!」
「な・・・瞬時加速中の方向転換!?」

そんな馬鹿な、と一夏は目を剥いた。瞬時加速中の無理な方向転換は体に凄まじい負担をかけ、最悪骨が折れるほど危険な行為だ。だが、それは風花というISにのみ当てはまらない。最初から異常な負荷にパイロットが晒されることを前提としている風花は、特注のパイロット保護システムを積んである。代償として拡張領域が随分狭まったが、リターンは見ての通りである。
だが、一夏もこれまで唯無為に過ごしていたわけではない。すぐさまカウンターを狙うのが難しいと事を察した一夏は別の戦法に切り替える。

「くそっ!見誤ったか・・・来い、参型!!」
「剣を2本・・・まさかっ!」
「その真逆よ!男の浪漫(ロマン)、二刀流ってね!!」

大型である弐型を右手に、少し小ぶりな参型を左手に構えた一夏は風花を迎え撃った。辛うじて方向転換の間に合った風花は、予め量子変換(インストール)しておいた後付装備(イコライザ)、「爪月(そうげつ)」を展開した。爪月は甲龍の“双天牙月”の基となった中国製のIS用青竜刀であり、大型で強度が高いために盾代わりにも使われる剣だ。

衝突する剣と剣。火花が舞い散り力と力が激しくせめぎ合う。
そして弐型で爪月を受け止めた瞬間、白式の握る参型に変化が現れた。西洋型の刃に仕掛けてあったギミックによって瞬時に刃がスライド・展開され刃全体を青白い光が覆う。そう、“零落白夜”が発動したのだ。
片方の剣で動きを鈍らせてもう一方の剣で刺し貫く2段構え。これが一夏が今までの戦いや練習を基に編み出した戦術の一つだった。二刀流という剣術は本来実用性が低く、更に使いこなすのにかなりの習練が必要である。しかし白式に2振りの剣以外に武器がない以上、それを活用するには二刀流も学んだ方が戦術の幅が広がる。この短期間で実践できるレベルまで昇華させたのはひとえに一夏の天性の才能と熱意ゆえだろう。

「後手必殺!!」
「大人しく・・・喰らうかぁ!!」

だがユウもこんなにも早くリタイアする気は毛頭ない。ゼロ距離で手をふさがれても攻撃できる手段が風花にはあった。両肩に付随するアンロックユニットの装甲がスライドし、弾けんばかりの桃色の粒子が姿を現す。

「“鳴動”ゼロ距離発射ぁ!!」
「なあっ!?」

咄嗟の判断でスラスターを吹かしその射線上から逃れようとするが完全には避け切れずにウィングに掠ってしまう。風花唯一の射撃武器である荷電粒子砲、“鳴動”である。本来ならば狙いをつけるために姿勢を安定させる必要があるが、これだけ接近していればその必要性も薄い。

「しまった、そっちにはその手があったな・・・」
「休んでいる暇は・・・与えないよ!!」

すぐさま白式に突貫してくる風花。手に握った爪月で斬りかかり、2機は再び
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