第4話:前払いでお願いします
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てあげてよ……お願い」
(ポカリ!)
「うるせー、お前等のオバケ退治が先だ! 出来もしない条件に、何で俺達が従わなきゃならないんだ!? いいから黙ってあっち行け馬鹿チビ!」
殴られた! 父さんには殴られた事ないのに……
「うわぁ〜ん!!!!」
そっちがその気なら俺も容赦はしない。
大泣きをし事を大袈裟にする……そして大人が集まってきたところで、純真無垢な俺の涙ながらの訴えを披露する。
そうなればガキ共は有無を言わせず悪者扱いされ、大人の権力ずくで猫を手放す事になるだろう。
ふっふっふっ……我ながら恐ろしい計画だ。
だが……大人が集まる気配がない。
ただ俺が馬鹿みたいに大泣きするだけ……
段々大泣きするのにも限度を感じてきた。
「アルス、もう泣かないで。私と一緒にレヌール城のオバケを退治しに行きましょう」
優しく俺の頭を撫で、この場から離れようとするビアンカ。
サンタローズであればこんな事にはならないのに……
都会の人達って冷たいよな!
「良いあなた達! 絶対に猫ちゃんを苛めてはダメよ! 私達は直ぐにでもオバケを退治してくるのだから、その間は優しく世話しなさいよ!」
「うるせー早く行けよブスビアンカ!」
何だとクソガキが!?
「ビアンカはブスじゃない! 謝れ馬鹿デブ!」
今のままだって美味しく頂けそうな可愛いビアンカに対し、あまりにも失礼な事を言う馬鹿ガキに怒りを感じ、思わず叫んでしまった俺ちゃん。
「なんだと馬鹿チビ!?」
しかし馬鹿ガキも俺の言葉に激怒し、拳を握り締め向かってくる。
年齢も体格も腕力も向こうの方が上だろう……その恐怖の所為で思わず身を縮めてしまう俺。
「わっはっはっはっはっ……ビビってやんのこのガキ。こんな臆病者にオバケ退治が出来る訳ねーよ」
ムカツク……ベビパンが大きくなってキラーパンサーに成長したら、あのガキを脅かしに来てやる。
目の前でキラパンを牙剥き出し状態にし、ジリジリと躙り寄らせビビらせてやる!
つーか結局、オバケ退治の報酬前払いはダメだった……
どうすんだよレヌール城は……
ビアンカ一人に負荷をかけてしまうんじゃねーの?
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