暁 〜小説投稿サイト〜
ヴァレンタインから一週間
最終話 夜景
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っと後ろの方で隠して置きたい少女だったのですが、それを許して貰えるほど、今回の羅?(ラゴウ)星事件は甘い事件では有りませんでした。
 伝承に近い形で進めない限り、これだけの事件を解決に導く事が今の俺には出来なかったと思いますから。

「当然、オマエさんの黒い炎に対する対策もその中には含まれて居る」

 そう。もし、あの時にさつきから火避けの指輪を渡されなかったとしても、有希には対処法を告げて有りましたから。
 この世界には絶対の防御と言う物もなければ、絶対の攻撃と言う物も有りません。相手の攻撃方法が判って居たのなら、ある程度の対策を行って置く事は可能です。

「すべては、伝説の破壊神ラーフを罠に踏み込ませる為の策。
 どうやった俺の奥の手、複合呪符の味は?」

 但し、その複合呪符を教えてくれたのは万結。この世界に来るまで、俺に行使出来る技では有りませんでした。
 もっとも、その万結に複合呪符を教えたのは、前世の俺だとは思うのですが。
 ……彼女が、俺の有り得ない記憶の中に存在する『彼女』ならば。

 尚、複合呪符とは。複数の呪符を有る特殊な順番で組み合わせる事に因って、普段よりも効果の大きな術を発動させる方法の事です。
 現代にまで残る事がなく歴史の彼方に消えて仕舞ったのか、それとも、一子相伝の秘術として、この世界の何処かに細々と残って居る術かは判りませんが、少なくとも俺の師匠が教えてくれる事は無かった方法なのですが……。

 但し、本当にヤツ。伝説の破壊神を倒したのは、そんな術では有りません。
 まして、偶然に、罠の有る場所にヤツが着地した訳では有りませんから。

 本来、ヤツ。伝説の破壊神ラーフを倒した方法と言うのは……。

 女神フォルトゥーナの職能とは運命を読む能力。
 その能力を使用してラーフの次の行動を予測し、その次の瞬間に移動する先に罠を張る。
 その罠に足を踏み入れ、ラーフに一瞬の隙を作り出したその瞬間、
 咽喉と両方の琵琶骨を一瞬の内に俺が斬り裂く。
 そして、その攻撃が行われる前にフォルトゥーナに因って、ラーフの一瞬後の位置と、俺の攻撃により傷付く位置を知って居た有希が、
 俺と精神を同期(シンクロ)させる事に因ってシルフの能力。物体を転移させる能力を使用して、拘束用の針を転移させた。

 これが、戦いの最後の場面で起きた事の顛末で有り、時空結界の内部で有希に対して語った、女神フォルトゥーナと有希がこの伝説の破壊神ラーフとの戦いの切り札と成り得ると言った意味でした。

 それに、流石に俺では其処まで細かな計算を行い、手抜かりなく完璧にこの手順を熟す事は出来ませんから。

 物体を転移させる事は出来ます。しかし、それを確実に傷付いた個所。それも動く的に対して、ラーフの
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