第零章 「グレン・ポッターと魔法の世界」〜Glen Potter and The Wizarding World〜
4話 The boy who lived.「生き残った男の子」
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者め―」
「―裏切り者だと?」
シリウスが吠えた。スネイプはついに感情を露わにして叫んだ。
「裏切り者だ!この家が襲撃されたのは何故だ?『秘密の守人』であるお前が寝返って闇の帝王に秘密を明かしたからだ!お前は無二の親友だったジェームズを裏切ったわけだな?あいつもさぞ天国で苦虫を噛んで悔しがっているに違いない!いい気味だ!」
「……なん、だと―」
スネイプがまるで復讐を遂げた瞬間のように高笑いしていたが、シリウスはそんなことを気にする余裕もなく茫然となった。
シリウスの頭に浮かんだのはピーター・ペティグリューの姿だ。シリウスは数日前、『秘密の守人』をピーターにするようにジェームズに勧めた。しかし、ピーターはヴォルデモートのスパイだった。結果的にジェームズとミリアが死んだのは、自分の所為だったのだ。
そして、同時にピーターに対する怒りがふつふつと湧き上がった。
「さぁ、グレン・ポッターを渡してもらおうか」
気を取り直したスネイプが杖を構えてシリウスに迫った。シリウスは一瞬躊躇したが、何かを決意したかのように溜め息を吐いた。
「…あぁ、分かった」
「―何?」
シリウスが以外にもあっさり承諾したことに呆気に取られ、スネイプは怪訝な顔で疑わしげにシリウスの顔を覗き込んだ。
「一体、どういうつもりだ?」
「どういうつもりも、ダンブルドアの元に連れて行くんだろう?必ずグレンを守れ。たとえお前が嫌いなジェームズの子供であってもだ。…良いか?もしグレンに何かあったら――ただじゃ済まさないぞ」
シリウスは低く唸りながら強く念押しして、グレンを慎重にスネイプに預けた。シリウスは自分のしたことの責任を取るためにこれからピーター・ペティグリューを探しに行くつもりだった。おそらく戦闘になるだろう。そこにグレンを連れて行くわけにはいかなかった。
シリウスはスネイプを信用しているわけではなかったが、それでもセブルス・スネイプは『不死鳥の騎士団』のメンバーだ。たとえグレンを嫌悪していても、守ってくれるだろう。
そして、その場から立ち去ろうとしたシリウスに、スネイプは叫んだ。スネイプに抱きかかえられたグレンは早くも愚図り始めていた。
「まて!どこに行くつもりだ!?」
「俺は――自分のしたことの始末をつける」
ピーター・ペティグリューは許せない。あいつの裏切りさえなければジェームズとミリアは死ななかった。そしてシリウスは自分に対しても同じぐらい怒っていた。だが、それでもまだグレンは生きている。ならば次は死んでもグレンを護るのが名付け親である自分の使命だ。ヴォルデモートはきっと次もグレンを狙うに違いない。それを許さないためにも、シリウスはピーター・ペティグリューを探しにいくのだ。
そして、シリウス
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